2012年11月20日火曜日

今年見たインド映画

寒くなってきたことだし、そろそろ冬眠に入ろうと思っている。
そこで、今年翻訳したインド映画を思い返して、1 年の総括としたい。

■ 今年、頑張って字幕を日本語に翻訳したインド映画

原題 邦題 公開 評価 寸評
Dabangg ダバン 2010年 A メチャ面白いアクション娯楽映画。
DDLJ 勇者が花嫁を連れ帰る 1995年 S インド映画の最高峰。名作中の名作。これぞ青春! これぞ恋愛映画!
Jodhaa Akbar ジョーダ・アクバル 2008年 S 歴史物だが、愛と宗教が織り込まれた素晴らしい作品。
Bunty Aur Bubli バンティとバブリ 2005年 A とにかく楽しい詐欺師の映画。音楽とダンスが素晴らしい。
Black ブラック 2005年 S インドのヘレン・ケラー。脚本と演技力が素晴らしい。歌や踊りのないインド映画らしからぬインド映画。
Delhi Belly デリ ベリー 2010年 A 一般受けしないかもしれないが、大好きな映画の 1 つ。シナリオがしっかりしていて、細部まで作り込まれた作品。音楽も素晴らしい。ただし、18 禁(スラング、スゴ過ぎ)。オタク向け映画かも。
BaaBarr バーバル 2009年 B これも、一般受けしないかもしれないが、好きな映画の 1 つ。インドの裏社会を告発した映画かと思ったが、後半ただのギャング映画になってしまったのは残念。

どれも素晴らしい映画だったが、あえて評価するなら、俺的には下のようになる。

最優秀作品賞: Jodhaa Akbar (ジョーダ・アクバル)。
DDLJ、ブラックを僅差で抑えての勝利。


最優秀監督賞: Sanjay Leela Bhansali (サンジャイ・リーラ・バンサーリ)。
BLACK の映像美は素晴らしい。同監督の 2002年公開作品 Devdas (デーブダース)の映像も美しかったが、BLACK も期待どおりの美しさ。舞台となったシムラーへ行ってみたくなる。


最優秀脚本賞: DDLJ。
Delhi Belly の脚本も素晴らしいが、不朽の名作には勝てない。


最優秀主演男優賞: Amitabh Bachchan (アミタブ・バッチャン)
「バンティとバブリ」と「ブラック」、どちらもすごい存在感。「ブラック」は、アミタブ・バッチャンのために作られた作品だけあって秀逸。さすが、インド映画の神様だけのことはある。


最優秀主演女優賞: Rani Mukerji (ラニー・ムカルジー)
「バンティとバブリ」と「ブラック」、同じ人物とは思えない演技力。容姿やスタイルなど関係ない。演技力では他の追随を許さない。小柄で、可愛いいちゃ~可愛いい!


最優秀プロデューサ賞:  Aamir Khan (アーミル・カーン)
「デリ ベリー」で多くの信者を獲得!!  勝手に 1 人で楽しんでろ!
一昔前のロックンロール世代の映画?


最優秀音楽賞: DDLJ
マンドリンの旋律が耳に残ってどうしようもない。この映画の音楽は、どれも素晴らしい。


最優秀ダンス賞: Bunty Aur Bubli の Nach Baliye。
インド映画のダンス シーンは、どれも素晴らしい。


最優秀一発音楽賞: Dabangg (ダバン)の Munni Badnaam (ムンニ バドナム)。
インド映画には、本編とほとんど関係ないのに、友情出演か何かでチョロッと出てきて、人気をかっさらっていくすごい歌&ダンスがある。 Bunty Aur Bubli (バンティとバブリ)の Kajra Re (カジュラーレ)とどちらにすべえか迷ったが、微差で Munni に決定!


最優秀格好良い男優賞: Hrithik Roshan (リティク・ローシャン)
Jodhaa Akbar (ジョーダ・アクバル)のアクバル役。とにかく、格好良い。


最優秀美人女優賞: Aishwarya Rai (アイシュワリヤー・ラーイ)。
この人を上回る美人女優は、いつ出てくるのか?



では、冬眠に入る。
来年、暖かくなったら、また活動を開始するかも、、、、
それまでは、 どちら様も、お休みやす。

2012年11月12日月曜日

インド映画『3 idiots』 (3 人のバカ)

ニコニコに、日本語字幕付きのインド映画がいくつかアップされている。
その 1 つが、「3 idiots」 (3 人のバカ) だ。



従来の典型的なインド映画の範疇には入らないかもしれない(目くるめくようなダンスシーンがない)が、めちゃんこ共感できる青春&ミステリー映画だ。
俺的評価は A。 ニコニコの日本語字幕に対抗して、今、急遽、独自に翻訳中。

就職に有利だからと言って、良い大学に入って、それで幸せなのか?
お前は、本当は何をしたいのか?
自分の人生は、自分で決めようよ!

そんな青春映画だ。
加えて、突然失踪した親友を探すというミステリーがアレンジされた、素晴らしい映画だ。
これぞ、シナリオの勝利!
良いシナリオなくして良い映画なし!!

今なら、ニコニコで無料で見られる。
メチャ感動したら、DVD を買うべし。英語字幕の DVD でも良いじゃないか。
この映画を作った連中へのお布施と思って買うべし!

2012年11月8日木曜日

インド映画も変わったね

いつものカレー屋の親父との会話。

「最近のインド映画、短くなったね。 以前は 3 時間も 4 時間もあったのに、今は 2 時間前後だ」
「ダンスも、1 本の映画に 6 つも 7 つもあったのに、今はせいぜい 3 つだよ」
「インド映画のスターのギャラが高くなっているからかな?」
「かもしれないな。 制作費 ン億ルピーもかけたら、絶対にヒットさせなきゃいけないから、冒険できなくったんだな」
「インドだけでは元が取れないから、欧米でヒットさせなきゃならない。つまり、欧米でヒットする映画を作らないとね」

「それに、最近、新しいスターが出なくなったんじゃない?」
「確かに、出てくるのは映画関係者の身内ばかりだね」
「インドの映画界も、歌舞伎の家柄みたいなものかな?  中村家や尾上家でないとスターになれないとか」

で、今と昔、どちらが面白い?
やっぱり、昔のインド映画だ!

みな感じていると思う。 この数年で、インド映画は激変している。
ハリウッド映画の影響が著しい。それも、子供相手の幼稚なハリウッド映画だ。
インド映画が、ハリウッドの映画会社の安価なコンテンツになってしまわないことを祈りたい。