「雨降らなくて良かったね!」
「うん、本当によかった。でも、搬入日は大雨だったよ」
「デング熱騒ぎは大変だったね」
「お客さんほとんど来てくれなくて、赤字だったよ」
で、DVD の話し。
「サルマン・カーン、大ヒットじゃん」
「でも、DVD 手に入らない」
「今なら売れるんじゃないの?」
「でも、入ってくるDVD、品質悪い」
どんなDVDなんじゃい! 正規品で品質悪いなんてことあるのか?
「正規品 3000円以上、日本では売れない」
そりゃそうだろうさ。
日本語字幕なしのDVDを、この日本で、3000円以上で売れるかよ!
「インドでまだ上映中だから高い」
上映が終われば安くなるから、それまで待てって。
もう少しすれば、1000円以下で売れるようになるんだそうな。
名誉のために言っておくけど、彼の扱っているのは正規品。
ただし、流通経路は極めて怪しい。
まあ、しょうがない。
今年のサルマン・カーンはもう少し待つか。
世界最大の映画大国インド。インド映画は、人を幸せにしてくれる。しかし、日本にインド映画はほとんど入ってこない。面白い映画も多いだけに、見る機会に恵まれない日本人は不幸だ。もっと安く手軽にインド映画が見られたら、、、と思う。もちろん、日本語字幕付きで。
2015年9月27日日曜日
2015年9月8日火曜日
HIDER (ハイデル) -- カシミール問題
HIDER の字幕翻訳、52%完了。
中間地点を通過!!
この映画を見る前に、カシミール問題を勉強する必要がありそう。
映画の前半では、カシミールの悲惨さが表現されていて、安全がタダだと思っている日本人にとっては、ただただ衝撃だ。
頻発するテロ、武装勢力が選挙を妨害 -- 日本じゃ、考えられないよね。そもそも、日本には武装勢力などいない。しかし、カシミールでは、投票所で自爆テロだって! 信じられない! 恐くって、投票など行けないじゃないか。
少年が武装勢力に勧誘される -- 武装勢力の新戦力として、少年が兵士に勧誘されるケースがあるようだ。武装勢力にスカウトされ、軍事訓練所で訓練を受けて少年兵になるなど、あってはならないことじゃないか!
HIDER でも、少年ハイデルが銃を隠し持っているのを母親が見つけ、放っておけば武装勢力に勧誘されてしまうのを防ぐために、ハイデルをカシミールから遠く離れた地に送ろうとするシーンがある。ハイデルは、どこにも行かないと言い張るが、母親は自分のこめかみに銃を当ててハイデルを説得する。
日本じゃ、こんな映画、作れないよ。
軍に逮捕されて行方不明に -- カシミールの治安を守るために、インド軍が駐屯しており、特権を与えられている。実際には、行き過ぎがあるようで、拷問を伴った取調べや、逮捕されたまま行方不明になってしまうなど、国際的な人権問題になっている。
アジア・太平洋人権情報センターの Web ページには、「カシミール-聞こえざる声、届かぬ声」と題するレポートが掲載されている。
この映画では、ハイデルの父親が逮捕された後、行方不明に。
まさに、この映画のテーマだ。
カシミール人の誰もが、平和に生きたいと思っているはずなのに、なぜ、こんなグダグダになってしまうのか!
面積は 22 万平方キロメートルで、日本の本州とほぼ同じ大きさ。
約半分をインドが支配、3 分の 1 をパキスタンが支配、残り 6 分の 1 を中国が支配している。
これだけで、カシミールがいかにグチャグチャな状態か、想像できる。
民族も宗教も多様。イスラム教が多数だが、ヒンズー教、仏教、ラマ教もいる。
大半が山岳地帯。木々の緑と湖が美しい風光明媚な土地で、気候は清涼。
観光資源に恵まれているが、ラダック以外は危険地帯。
外務省は、ラダック以外のカシミールへの渡航を控えるよう呼びかけている。
米のほか、トウモロコシ、小麦、豆、蕎麦などが栽培されている。
主食は米。ラム、マトン、ヨーグルトを使った辛いカレーが郷土料理とのこと。
カシミアヤギの毛で織ったカシミールの毛織物がカシミアなんだって!
へ~、そうなんだ。
イスラム教徒がパキスタンへの帰属を求めて暴動を起こすなど、カシミールは混乱状態に陥った。
業を煮やしたパキスタンが武力介入すると、藩王はインドへの帰属を表明。
藩王の要請を受けてインドがカシミールに出兵し、パキスタンとの紛争に発展した。
第一次印パ戦争である。1947年10月に始まり、停戦となったのは 1948年の大晦日。
1948年8月、カシミールがインドとパキスタン、どちらに帰属するかは住民投票で決めるとの決議が国連でなされたが、インドの反対で実現されなかった。
カシミールには多くの武装勢力があるが、その主張は様々だ。パキスタンへの帰属を求めるグループもあれば、独立を志向するグループもある。パキスタンで軍事訓練を受けたグループもあれば、アフガニスタンのタリバン勢力もある。ジハードを唱えるアラブ人グループまで存在する。
カシミール最大の武装組織は、ヒズブル・ムジャヒディン。
カシミールのイスラム教徒の組織で、パキスタンへの帰属を求めており、外国人主体の武装組織とは一線を画している。映画 HIDER にも、ヒズブル・ムジャヒディンの名が出てくる。
どうすれば問題が解決するのか、いつになったら問題が解決するのか、誰にも分からない。
HIDER では、そんな絶望的なカシミールの姿が丹念に描かれている。
こんな映画も、たまには見るものだ。
インド映画には、愚にも付かない面白さを求めてきたが、岩波ホール向きの、こんなシリアスな映画も良いものだ。普段考えていなかったことを考えさせてくれる。
中間地点を通過!!
この映画を見る前に、カシミール問題を勉強する必要がありそう。
映画の前半では、カシミールの悲惨さが表現されていて、安全がタダだと思っている日本人にとっては、ただただ衝撃だ。
頻発するテロ、武装勢力が選挙を妨害 -- 日本じゃ、考えられないよね。そもそも、日本には武装勢力などいない。しかし、カシミールでは、投票所で自爆テロだって! 信じられない! 恐くって、投票など行けないじゃないか。
少年が武装勢力に勧誘される -- 武装勢力の新戦力として、少年が兵士に勧誘されるケースがあるようだ。武装勢力にスカウトされ、軍事訓練所で訓練を受けて少年兵になるなど、あってはならないことじゃないか!
HIDER でも、少年ハイデルが銃を隠し持っているのを母親が見つけ、放っておけば武装勢力に勧誘されてしまうのを防ぐために、ハイデルをカシミールから遠く離れた地に送ろうとするシーンがある。ハイデルは、どこにも行かないと言い張るが、母親は自分のこめかみに銃を当ててハイデルを説得する。
日本じゃ、こんな映画、作れないよ。
軍に逮捕されて行方不明に -- カシミールの治安を守るために、インド軍が駐屯しており、特権を与えられている。実際には、行き過ぎがあるようで、拷問を伴った取調べや、逮捕されたまま行方不明になってしまうなど、国際的な人権問題になっている。
アジア・太平洋人権情報センターの Web ページには、「カシミール-聞こえざる声、届かぬ声」と題するレポートが掲載されている。
この映画では、ハイデルの父親が逮捕された後、行方不明に。
まさに、この映画のテーマだ。
カシミール人の誰もが、平和に生きたいと思っているはずなのに、なぜ、こんなグダグダになってしまうのか!
カシミールって、どんなところ?
カシミールの場所は、インドの一番北、ひし形の一番上。面積は 22 万平方キロメートルで、日本の本州とほぼ同じ大きさ。
約半分をインドが支配、3 分の 1 をパキスタンが支配、残り 6 分の 1 を中国が支配している。
これだけで、カシミールがいかにグチャグチャな状態か、想像できる。
民族も宗教も多様。イスラム教が多数だが、ヒンズー教、仏教、ラマ教もいる。
大半が山岳地帯。木々の緑と湖が美しい風光明媚な土地で、気候は清涼。
観光資源に恵まれているが、ラダック以外は危険地帯。
外務省は、ラダック以外のカシミールへの渡航を控えるよう呼びかけている。
米のほか、トウモロコシ、小麦、豆、蕎麦などが栽培されている。
主食は米。ラム、マトン、ヨーグルトを使った辛いカレーが郷土料理とのこと。
カシミアヤギの毛で織ったカシミールの毛織物がカシミアなんだって!
へ~、そうなんだ。
カシミール問題の概要
インドがイギリスから独立するときに、インドとパキスタンに分かれてしまうわけだけど、カシミールを統治していた藩王は、独立を画策して、インドとパキスタンのどちらに帰属するとも言わなかった。カシミール住民の多数派はイスラム教、藩王はヒンズー教ということで、微妙な立場だったようだ。イスラム教徒がパキスタンへの帰属を求めて暴動を起こすなど、カシミールは混乱状態に陥った。
業を煮やしたパキスタンが武力介入すると、藩王はインドへの帰属を表明。
藩王の要請を受けてインドがカシミールに出兵し、パキスタンとの紛争に発展した。
第一次印パ戦争である。1947年10月に始まり、停戦となったのは 1948年の大晦日。
1948年8月、カシミールがインドとパキスタン、どちらに帰属するかは住民投票で決めるとの決議が国連でなされたが、インドの反対で実現されなかった。
カシミールには多くの武装勢力があるが、その主張は様々だ。パキスタンへの帰属を求めるグループもあれば、独立を志向するグループもある。パキスタンで軍事訓練を受けたグループもあれば、アフガニスタンのタリバン勢力もある。ジハードを唱えるアラブ人グループまで存在する。
カシミール最大の武装組織は、ヒズブル・ムジャヒディン。
カシミールのイスラム教徒の組織で、パキスタンへの帰属を求めており、外国人主体の武装組織とは一線を画している。映画 HIDER にも、ヒズブル・ムジャヒディンの名が出てくる。
どうすれば問題が解決するのか、いつになったら問題が解決するのか、誰にも分からない。
HIDER では、そんな絶望的なカシミールの姿が丹念に描かれている。
こんな映画も、たまには見るものだ。
インド映画には、愚にも付かない面白さを求めてきたが、岩波ホール向きの、こんなシリアスな映画も良いものだ。普段考えていなかったことを考えさせてくれる。
2015年9月6日日曜日
Hider (ハイデル) -- インド軍事特別権限法 AFSPA
今 Hider の翻訳中と言っても、誰も興味を示してくれない。
「そんなものより、サルマン・カーンの最新作 Bajrangi Bhaijaan (バジュランギ・バイジャン)が面白いから、それを見ろ」って。
こちとら、字幕なしのヒンディー語映画見ても、さっぱり分かんね~の!
インド映画ばっかり、次々見てられるかよ。
でも、見た連中は皆面白いと言ってるので、きっと面白いんだ。
う~、見たい! DVD 手に入れねば。
DVD 買ってきて、その英語字幕を日本語に訳して、それから日本語字幕付き DVD に焼き直して、やっとインド映画を見られるんだから、時間もかかるさ。
インド人みたいに、そんなにホイホイと見られないのだ!
それはそうと Hider の字幕翻訳、30%ほど完成。
背景というか、環境というか、カシミールという紛争地帯の特殊性というか、この軍事的緊張感を受け入れるには、自分の平和ボケした頭を切り替える必要がありそうだ。
この映画のキーワードは AFSPA。
知らなかった。インドで、いや世界で AFSPA がこれほど問題になっていたとは!
AFSPA とは、Armed Forces Special Powers Act (軍事特別権限法)のこと。
パパッと、いい加減に調べたところ、「令状なしの逮捕、射殺、「動乱地域」とされた地域にある財産の破壊など、広範な権力を軍に付与するものである」とのこと。詳しくは、NGO「人権ウォッチ」の このページ を見てもらえばいいのだが、警察権と司法権の両方が軍にあるということで、軍による不当逮捕や逮捕された人が行方不明になってしまうとか、色々あるらしい。
この映画でも、AFSPA は悪法として描かれているようだ。
映画は、怪我をした反政府武装組織のメンバーの命を医者が助けるところから始まる。
「これが医者の使命だ」とか何だとか、、、
しかし、軍に見つかり、医者は逮捕され、行方不明に。
医者の息子が Hider。僕の父は、どこにいるのだ!
でもって、Heider の父親探しが始まる、、、、と、今のところ、こんな感じかな。
陰鬱な雰囲気の中で、Heider の母親と叔父が登場し、これからどうなるのか、、、、
興味津々、観客をぐいぐい引き込む秀作だ。
「そんなものより、サルマン・カーンの最新作 Bajrangi Bhaijaan (バジュランギ・バイジャン)が面白いから、それを見ろ」って。
こちとら、字幕なしのヒンディー語映画見ても、さっぱり分かんね~の!
インド映画ばっかり、次々見てられるかよ。
でも、見た連中は皆面白いと言ってるので、きっと面白いんだ。
う~、見たい! DVD 手に入れねば。
DVD 買ってきて、その英語字幕を日本語に訳して、それから日本語字幕付き DVD に焼き直して、やっとインド映画を見られるんだから、時間もかかるさ。
インド人みたいに、そんなにホイホイと見られないのだ!
それはそうと Hider の字幕翻訳、30%ほど完成。
背景というか、環境というか、カシミールという紛争地帯の特殊性というか、この軍事的緊張感を受け入れるには、自分の平和ボケした頭を切り替える必要がありそうだ。
この映画のキーワードは AFSPA。
知らなかった。インドで、いや世界で AFSPA がこれほど問題になっていたとは!
AFSPA とは、Armed Forces Special Powers Act (軍事特別権限法)のこと。
パパッと、いい加減に調べたところ、「令状なしの逮捕、射殺、「動乱地域」とされた地域にある財産の破壊など、広範な権力を軍に付与するものである」とのこと。詳しくは、NGO「人権ウォッチ」の このページ を見てもらえばいいのだが、警察権と司法権の両方が軍にあるということで、軍による不当逮捕や逮捕された人が行方不明になってしまうとか、色々あるらしい。
この映画でも、AFSPA は悪法として描かれているようだ。
映画は、怪我をした反政府武装組織のメンバーの命を医者が助けるところから始まる。
「これが医者の使命だ」とか何だとか、、、
しかし、軍に見つかり、医者は逮捕され、行方不明に。
医者の息子が Hider。僕の父は、どこにいるのだ!
でもって、Heider の父親探しが始まる、、、、と、今のところ、こんな感じかな。
ハイダル(シャーヒド・カプール) 彼の代表作は Jab We Met だけど、英語字幕で見ただけなので ほとんど覚えていない。 しかし、本作にはバッチリはまっている。演技力は抜群。 この映画は、彼の本当の出世作になるかもしれない。 |
興味津々、観客をぐいぐい引き込む秀作だ。
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