2013年11月23日土曜日

インド映画 『Guru』 (グル) -- その 1

仕事のない日に映画の字幕の翻訳をする。最近、仕事が増えてきた(といっても大したことないけど)。仕事のせいにしてはいけない。増えたのは酒量だ。お陰で、字幕の翻訳が遅々として進まない。

あまりに時間が開いたものだから、ストーリーがわからなくなってきた。
まだ、開始から約 50 分のところだが、ここまでの映画の内容をまとめてみる。

この映画『Guru』(グル)は、2007 年に公開された映画で、この物語の主役、グルカーン・デサーイ(通称グル)を演じるのは、インド映画の神様アミタブ・バッチャンの息子、アビシェーク・バッチャン!

グルの妻スジャータ役は、アビシェーク・バッチャンの実際の妻、アイシュワリヤー・ラーイ。

アビシェークも、親が偉大すぎて苦労が多いことだろうが、Dhoom シリーズで見せた筋肉ムキムキのアクション俳優から Bunty Aur Babli のコミカルな演技、そして今回のシリアスな役柄と、芸域が広い。

アイシュは、相変わらずの美しさだ。今回は娘時代から老人になるまでのスジャータを演じる。アイシュの老け役は、滅多に見られない。老けてもきれいだね、この人。

さて、映画だが、裸一貫から出発し、タタ財閥、ビルラ財閥と並ぶインド 3 大財閥の 1 つ、リライアンス財閥を一代で築き上げたディルバイ・アンバニがモデルとされるインド版サクセス ストーリーだ。


映画は、1951 年のグジャラート州イダル村から始まる。

1 人の少年が父に向かって言う。 「ガンシャン・ダスのように、トルコで働く」
少年の名は、グル。

ガンシャン・ダスと言えば、ビルラ ファミリーの 3 代目ガンシャン・ダス・ビルラが思い浮かぶ。
ビルラ財閥の事実上の創始者だ。

この映画に出てくるガンシャン・ダスは、ビルラ財閥のガンシャン・ダスとは無関係。
トルコの会社から派遣されてインドの若者をスカウトに来たインド人担当者。
後に、グルが作ったシャクティー ファミリの石油化学工場の責任者になる。

グルの父親は学校の先生。
少年に付き添っている年配の女性と、人の良さそうな青年。
グルの義理の母親と、義理の兄だ。

2 人もグルのトルコ行きに大賛成だ。
グルは父親に内緒で町へ面接に行き、採用されてトルコでの仕事が決まっている。
既に、パスポートまで用意してある。
ところが、勉強は苦手らしく、学校の成績は落第。

グルは言う。「トルコでの仕事が決まりました。落第など 問題じゃありません」
父親は、「馬鹿者! 村中の笑い者だ」
「教師の息子が落第とは! お前など 成功するものか」
「勝手にしろ! どこへでも行け」

それを聞いた 3 人は、父親の許しが出たと大喜び。

こうして、イスタンブールに渡ったグル。
就いた仕事は、ガソリンの販売。
赤い服を着、赤い帽子をかぶって、ガソリンの缶を配達する。
よく見ると、缶には「SHELL」と書いてある。

なるほど、イスタンブールのシェル石油関連の会社に勤めたようだ。
実際のアンバニは、英領アデン(現在のイエメン)でシェル石油の販売を担当したとのこと。
ガソリンスタンドの給油係からスタートし、やがて近隣諸国やアデンのイギリス軍への販売を担当する営業責任者となった。

一方、グルは石油の仕事を続けながら、香辛料の取引業者となって稼ぎ始める。
そして、この映画一番の印象的な曲「Mayya」(マイヤ)が流れる。
歌っているのはエジプト人の歌手なのかな? グルの成功の象徴とも言える曲だ。
エロエロのダンスを披露してくれるのは、インドのセクシー女優 マリカ・シェラワト。


あなたは青い海、私は浜辺の砂
お願い抱きしめて、私、喉が渇いているの

上のような内容の歌詞だ。

香辛料の取引で稼いだグルは、上の動画にもあるような高級店にも出入りできるようになり、商品の取引に興味を持ち始める。

そして、MADRAS TALKIES (マドラストーキーズ: 映画会社の名前)がパラパラ漫画風に表示された後、GURU の文字。凝ったクレジットタイトル表示だ。

イスタンブールへ来て 7 年。石油の仕事でも頭角を現したグルは、英国人の上司から営業主任への昇格を告げられる。しかし、グルは「これ以上、白人のために仕事をしたくない。これからは、自分のために仕事をする」と言って、故郷のインドへ帰ってしまう。


イスタンブールを離れるグル。背景は本物のイスタンブール。
わずかな時間のために海外ロケを敢行。やるじゃない、インド映画!

ここで、いきなり「な~れ~、な~れ~」と、女性の歌声が聞こえてくる。


雲よ、雨を降らせて
泥で家を作りましょう
雲から雷鳴が轟き
誰もが農作業に精を出す
牛のベルが鳴り続けている
私は河を泳いで渡る
私は向こう岸にたどり着く

意味深長な歌詞だ。 な~れ~、な~れ~、なんなんな~れ、な~れ~
スジャータが歌う曲は「Barso Re」 (バルソーレ:雨を降らせて)。

スジャータは、置手紙をして家を出る。
「お父様、私は出て行きます。私は恋人を見つけました。 私が幸せになれるよう祈っていてください」

スジャータは駅に着くが、相手の男が来ていない。 代わりに手紙を預かったという少年がいる。
手紙には、「駆け落ちする勇気がありません、許してください」と書いてある。
自分を探して追って来た人々から逃げるように夜行列車に乗り込んだスジャータ。
その列車にたまたま乗り合わせていたのが、故郷の村へ帰る途中のグル。

故郷の村へ帰ったグルは、父親に自分の事業を立ち上げたいと伝える。
グルの父親は、昔、商売をして失敗した経験がある。
自分が失敗しただけに、グルが成功するとは思えない。
父親の心配は、理解できる。
ただ、この父親の偉いところは、グルの進路を邪魔しないこと。
心配はするものの、息子を信じている一面も感じさせる。

グルは友人に話す。 「今 1 万 5000 ある。 もう 1 万 5000 必要だ」
事業資金だ。
友人は答える。 「親父は投資しない。俺の姉の結婚のために置いてある」
「持参金か」
「そうだ」
「いくら?」
「2 万 5000」

それを聞いて、グルは言う。
「俺が結婚する」
驚く友人に向かって、グルは続ける。
「俺は決めた。お前の姉さんと結婚する。 そして、俺たちは共同経営者だ。 5 分と 5 分」
「お前が持参金を受け取り、俺が共同経営者になるのか?」
「お前も、持参金の一部だ」

グルは、友人の姉と結婚することに決め、友人の父親に会いに行く。
そこに居たのは、、、、 当然、分かるよね。

夜行列車で知り合ったスジャータ。
話し出来すぎ。そこは映画だ、許そう。

スジャータの父親に向かって、グルは言う。
「あなたは、私の父のバターの店を潰し、牛もすべて取り上げた」
「お前、カーンティアの息子か? あいつには商才がなかった。 しかし、私のお陰で、今は校長だ」

グルは、商売を始めたいと切り出す。
「どんな商売?」
「外国には、新しいものがたくさんあります。それらを輸入して、ここで売ります」
「君の親父さんは、どう言ってる?」
「絶対に失敗すると」
「それなら儲けられる。間違いない。 しかし、金は貸せない。娘を結婚させなければならない」
「私がお嬢さんと結婚します。お嬢さんを大切にします」とグル。

男と駆け落ちすると言って家出をした娘だ。
当然、評判は悪い。 しかし、グルは近所の評判など気にしない。

こうして、グルとスジャータはめでたく結婚することに。
結婚式の背景に流れるのは「Ay Hairathe Aashiqui」(素晴らしい愛)。
ここまでで、既に 3 曲。 この映画、こんなペースで曲を流して大丈夫か?


グルとスジャータは、事業を始めるために故郷の村を出て大都会ムンバイへ。

長くなりすぎて疲れてきた。今日はここで終了。続きは明日な。

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