2014年6月28日土曜日

「Ram-Leela」(ラームリーラ) -- その 5

91%翻訳完了。1万3593ワード中、残りは1223ワードくらい。
あと 1 日あれば完了する。
上映時間にすると、2 時間21分5秒まで終了。
最後の台詞(または歌詞)が2時間38分14秒のところだから、残り 17 分 9 秒。

実のところ、感想を書きそびれている。
正直、この映画、面白くないのだ。
前半を訳しているときに思った、、、ちっとも面白くないと。
後半になれは面白くなると思ったが、期待したほど盛り上がらない。

さて、ラームとリーラは駆け落ちし、追っ手に見つかってリーラは連れ戻される。
ラームは英雄とみなされてラジャーリ一族の族長になり、リーラはサネラ家の家名を地に落とした。

サネラ家では、母親のダンコールがリーラの結婚相手カルサンの両親をロンドンから呼び寄せるなど、結婚準備を着々と進めている。結婚相手の両親の前で恥をかかせたリーラの指をダンコールが切り落とすとか、ダンコールがカルサンのパスポートを取り上げたまま返さずに、事実上カルサンを誘拐しているとか、色んなことがありまして、、、、

しかし、リーラはラームが忘れられない。
「Laal Ishq」(真っ赤な愛)の中で繰り返される「メラ・ナーム・イシュク、テラ・ナーム・イシュク」(私の名前は愛、あなたの名前は愛)が耳に残る。


リーラは、義理の姉であるラシラに、ラームの本心を聞いてくるように依頼する。

ラシラ (リチャ・チャッダ)

リーラの兄カンジの妻。
印象に残る演技を披露してくれる。
ヒロインのディーピカ・パドコーンより存在感があるかも。

「初夜はラーム。その他の人だったら、私の最後の夜になる」 思い詰めているリーラ。 「私がラームに、あなたと寝てくださいって頼みに行くの?」 そう言いながらも、リーラの愛を理解するラシラ。 リーラの気持ちを伝えにラームに会いに行く。 ラームが居るはずの店にラームは居ない。 代わりに居たのはラームの友達。 ラームの友達は、ラシラを乱暴しようとするが、助けが入る。 「そんなことをして、ラームに知られたら全員殺されるぞ!」 ラシラがラジャーリに乱暴されそうになったことを知ったサネラ家は、報復としてラジャーリの女達を襲う。ラームの亡き兄メグジの妻ケッサールの命まで狙われる。

ケッサール (バルカ・ビシュト・セングプタ)

ラームの義理の姉。
わずかしか出てこない。

ラームは 1 人、騒動を治めるために、ダンコールに会いに出かける。 ダンコールは言う。 「こんなところまで乗り込んで来なくても、電話で話せたのに」 そう言って、電話番号を教える。 後日、ダンコールからラームに電話がかかってくる。 リーラとの結婚を認めるから、明日のナブラトリ祭の最初の夜に家に来いというのだ。 ラームは行くと返事するが、これはダンコールの策略。 さて、ナブラトリ祭となり、当然ダンスが披露される。 「Nagada Sang Dhol」(太鼓が響く): 「早く来て私の足かせを外して」といった内容の歌詞の歌だ。


この映画、バンサーリ監督作品だけに、どうしても「Devdas」(デーブダース)の「Dhola Re Dhola」(ドーラレドーラ)と比べてしまう。 「Dhola Re Dhola」が別格だと分かっていても、バンサーリ監督には、このレベルのダンスシーンを期待してしまう。しかし、バンサーリ監督も大変だ。「Devdas」や「BLACK」のような名作を作ってしまったばかりに、普通レベルの作品を作ったのでは誰も満足しなくなっている。

さてダンスが繰り広げられているときに、物陰から銃でラームを狙っている奴がいる。 ところが、ダンコールの甥のババニがその銃口を別の角度に向ける。 銃口の先には、ダンコール。

ババニ (グルシャン・デベア)

リーラの従兄弟。ダンコールの甥。
権力欲旺盛。族長の座を狙っている。

ダンコールが撃たれるが、一命は取り留める。
ババニはラジャーリへの復讐を主張し、今後はすべてを自分が采配すると言い出すが、ラシラに止められる。ラシラは、ダンコールの後継にリーラを指名。リーラがサネラの族長となる。

ダンコールが撃たれたとあって、サネラとラジャーリとの間に会議が持たれる。
ラームとリーラは、互いに族長として顔を合わせる。

ここまで来ると、この映画もなかなか面白い。
やっと、わくわくしながら見られるレベルになってきた。

しかし、上映時間は、ここまでで既に 2 時間を超えている。
脚本が悪いのか出演者が悪いのか、この映画、なかなか感情移入できず、映画の中の世界に入り込めない。台詞を訳しながら、少しずつ少しずつ見ているので、そう感じるのかもしれない。訳し終わって通して見たら、また感想も変わるだろう。

2014年6月24日火曜日

「Ram-Leela」(ラームリーラ) -- その 4

リーラは母親が決めた結婚相手を拒否し、ラームと駆け落ちしたものの、追っ手に見つかってしまい、無理やり連れ帰されてしまう。

それを見て、ラームの友人たちがラームに向かって言う。
「見事な報復だ、やったなラーム!」

この台詞(せりふ)は、一般的な日本人には理解しがたい。

しかし、インドではラームがリーラの家、つまりサネラ家に最大限の屈辱を与えたことになる。インドには、まだまだ保守的な考え方が残っていて、両親が決めた相手と結婚しなければならないと考える人も少なくない。それを拒否して娘が男と駆け落ちするなどは、一家、一族の恥以外の何でもないのだ。

インドやパキスタンでは、今も「名誉殺人」が後を絶たない。
最近も、「パキスタンで名誉殺人未遂、18歳女性を袋詰めで運河に投棄」とか「女性を撲殺し恋人男性の首を切断、インド北部で名誉殺人」てな事件があった。

イスラムだけではなく、ヒンズーでもカーストを越えて恋愛関係になり、駆け落ちでもしようものなら、親族一同が追いかけてきて、残虐な方法で命を奪うという事件が後を絶たない。

私の周りのインド人には日本人と結婚した女性もいる。親の了解を取り付ければ、「名誉殺人」などには発展しないし、そもそも日本人はカースト外だから、カーストが違うという理由で反対されることもない。

自由恋愛は悪である。これは、旧態依然としたインド社会の常識なのかもしれない。
世間手というやつだ。
しかし、誰もが自由恋愛に憧れている。

たとえば、インド人が本音で自由恋愛と悪だと考えているなら、自由恋愛をテーマにした映画など流行るわけがない。しかし、誰もが自由恋愛に憧れている証拠が、DDLJ であり、現在作業中の Ram-Leela だといえる。Devdas もそういった映画の 1 つかもしれない。

日本で言えば、まるで江戸時代の近松心中物ではないか。

ラームが敵の家の娘を誘惑して駆け落ちし、敵に大恥をかかせた、、、
つまり、ラームがサネラ家に報復したということになる。

う~む、インド映画は難しい。

でもって、村に帰ったラームはすっかり英雄扱い。
ラームの父は、ラームにこう言うのだ。
「敵のただ 1 人の息子を殺したうえ、敵の家名を地に落とした!」

そして、族長の座をラームに譲る。
「今日からお前が族長だ」

つまり、名誉殺人の背景にあるインド人のメンタリティーが理解できないと、この部分の進行は理解不能かもしれない。

う~む、インド映画は難しい。← 同フレーズ 2 回目

このように、扱っているテーマは相当に重いのだが、、、(以下、感想は映画の終了後に。言いたいことは山ほどあるが、最後まで見ないことには、的外れな感想になるに決まっているので)

敵の一族の女と駆け落ちしたら、敵をやっつけたことになる。
よく覚えておくように。

インドの保守的な文化は、まるでレイプしたら敵をやっつけたことになると言っているような、胸糞悪い文化だ。

2014年6月18日水曜日

「Ram-Leela」(ラームリーラ) -- その 3

スマホで連絡を取り合う仲になったラームとリーラ。
今度は、リーラがラームに会いに行くことに。

ラジャーリの支配地域に足を踏み入れたリーラ。
美しい!


この映画の本当のタイトルは「Goliyon Ki Raasleela Ram-Leela」(銃弾遊戯: ラームリーラ)。ということは、ラームが留守番をしていた店での出会いのバックに流れるこの曲、「Ishqyaun Dhishqyaun」(愛と銃弾)がこの映画のテーマ曲か?


曲はいいのだが振り付けが、、、と思うのだが、どうだろう?

DVD の英語字幕は歌詞にも付いているが、ずいぶん意訳してある。そのまま日本語に訳したら、元のヒンディー語の歌詞がまったく生かされなくなってしまう。そこで、できるだけヒンディーに忠実な英訳(たとえば、ここ)を探して、ふむふむ、そうかそうかと、ヒンディー語も参考にしながら訳を進める。それもまた、楽しい作業だ。

この後、警官のバンカが、リーラの兄カンジに金を貰って、銃弾を押収するためにラジャーリをガサ入れするが、ラームにアダルト ビデオを貰って、銃弾を押収せずに見逃すというエピソードが挿入される。さほど必要なエピソードとも思えないが、、、

さて、深く愛し合うようになったラームとリーラだが、リーラがラジャーリの支配地域へ行ったことを知ったダンコール(リーラの母親)は、リーラの結婚式を急ぐよう皆に命ずる。

その夜、2 人で駆け落ちしようということになるのだが、大きな木の上で 2 人が話すという、ずいぶん工夫したシーンが登場する。


木の下は池になっていて、水に反射した光がゆらゆら揺れるという、バンサーリ監督の得意とする幻想的な演出だ。この辺りの妖艶な雰囲気は Devdas(デーブダース)で既に完成の域に達しているが、Devdas に比べると予算が限られているためか、作りが粗い気がする。

翌日、市場のシーン。
ラーム、ラームの兄メグジ、それに仲間と市場で楽しんでいると、サネラの連中が現れる。
その中には、リーラの兄カンジもいる。

ラジャーリとサネラが出会えば、当然険悪な雰囲気になる。
ふとしたことから、銃の腕比べが始まる。
メグジがビール瓶を自分の肩に乗せて、カンジに言う。
「これを撃ってみろ」

カンジが撃った弾は、運悪くメグジの胸に命中してしまう。
それを見て逆上したラームは、カンジを撃ち殺してしまう。

ラジャーリとサネラのつまらない争いで、互いにたった 1 人の兄を亡くしたラームとリーラ。
リーラはラームに向かって、「なぜ、兄さんを殺したの! もう終わりよ」
「なぜ終わりなんだ」とラーム。「俺たちは、血によって結ばれるんだ」

ラームは言う。
「死ぬ理由はいくつもあるが、生きる理由は たった 1 つ。君だ」


「ここを離れよう。ここに居ると、憎悪に飲み込まれてしまう」

こうして、街を出た 2 人。しかし、警官やサネラの手下が 2 人を追っている。
「外へは出るな」
ラームは言うが、リーラは外で買い物をしている。
リーラが買ったのは、2 人の服、シンドール(花嫁の頭に付ける赤い粉)、結婚指輪。
2 人のささやかな結婚式をしようというのだ。

こいつ、何を考えているんだ! ラームは怒って言う。
「君は結婚式のことしか頭にないのか。新聞を見てみろ。ランジャールで暴動だ。ラジャーリの家や店が破壊された。なのに、君は!」
「私はラジャーリの苦しみも、サネラの苦しみも 区別しない。でなければ、あなたと逃げなかったわ」

ラジャーリとサネラの立場で激しく罵り合う 2 人だが、愛の力がそれを上回る。
その夜、2 人はささやかな結婚式を挙げることに。
「Ang Laga De」(私に触れて) -- あなたの身体で私の身体に触れてくれといった意味だろうと思うが、、、


アイシュと比べるのは酷か。あの人間離れした美しさには、誰も勝てない。

一方、追っ手は既に 2 人の居所を突き止め、2 人のもとに向かっている。
結婚式を終えて夜を過ごそうとしているところに、ラームの友達から電話。
宿屋の下に来ているという。
「なぜ、居所が分かった」とラーム。
「いいから、結婚祝いだ。ビール 1 杯だけ付き合えよ」

リーラを置いて行けないと言うラームを、無理やり外に連れ出す。
「乾杯!」
杯が進むにつれて、酔いがまわる。
「リーラのような女は他にいない。彼女は、ラジャーリを愛したただ 1 人のセネラだ。リーラのような女は他にいない... リーラのような女は他にいない...」
酔いつぶれたラーム。

朝になる。ラームのいない部屋。リーラが目覚めると、部屋にいるのはサネラの手下ババニ。
リーラを連れ戻しに来たのだ。
無理やりリーラの手を引いて、部屋を連れ出す。
「ラーム!」
酔いつぶれて寝ていたラーム。その声を聞いて目覚める。
川を挟んでリーラとラーム。
サネラの手下に連れ去られるリーラを見ても、川の向こう岸ではどうすることもできない。
ラームの友達連中も、この計画に加担していたようだ。

リーラは車に乗せられて連れ去られてしまう。
物語は急展開。いよいよ面白くなってきた!

はい、前半終了。ここで途中休憩。
後半が楽しみだ。

2014年6月16日月曜日

「Ram-Leela」(ラームリーラ) -- その 2

さて、街を 2 分して対立する 2 つの家。
1 つはラジャーリ家、もう 1 つはサネラ家。

上映開始から 30 分ほどで登場人物もそろってきたので、整理しておく。
何日も翻訳作業せずに映画から離れていると、誰が誰だったか忘れてしまうので。

まずは、ラジャーリ家。

ラーム (ランビール・シン)

対立を嫌う陽気な男。
いたずら心から、ホーリー祭の日に、敵のサネラが支配する
街に忍び込んで見物するうちに、リーラと知り合う。

メグジ (アブヒマニュ・シン)

ラームの兄。
子供を撃ち殺そうとした敵を叩き殺そうとしたところを
ラームに制止される。

こちらが、サネラ家。

ダンコール (スプリヤ・パタック)

サネラ家の女ボスで、リーラの母親。
スプリヤ・パタックがなかなかの好演。

カンジ (シャラド・ケルカル)

リーラの兄。リーラに結婚相手を連れてくる。

リーラ (ディーピカ・パドコーン)

今、一番乗っている女優といえば、この人。
アイシュも美しいが、この人も美しい。
こんな人が飲み屋にいたら、毎日でも通ってしまいそう。

ホーリー祭の日、ラームはいたずら心から、サネラ家が支配する街の見物に出かける。
そこで、リーラと出会う。

インド映画のこと。出会いに歌は欠かせない。
タイトルは、「Lahu Munh Lag Gaya」(私は血を味わった)。危険な香りが漂うセクシーな曲だ。


互いに惹かれあう 2 人。その夜、ラームはリーラに会いたい一心で、サネラ家に侵入する。

この映画の監督、サンジャイ・リーラ・バンサーリの真骨頂は、光と影の表現。
Devdas(デーブダース)や BLACK(ブラック)でもそうだったが、特に夜のシーンが絶品だ。


この映画も期待にたがわず、絵画のように美しいシーンが随所に登場する。

サネラ家に侵入したラーム。まるで、ロミオとジュリエット。
ラームは、リーラに向かって言う。
「俺に惚れるなよ。俺はラジャーリ、君の敵だ」
何と、ストレートな男だ。
「俺と結婚してくれ」
いくら何でも早すぎる展開だが、
「いいわよ」とリーラ。
「私、結婚の日をずっと待っていたの」
「いやに簡単に OK するんだな」とラームが言うと、
「あなたも、ずっと待ってたんじゃないの?」

なかなかのラブシーンだ。ディーピカ・パドコーンにこんなこと言われたら、どんな男もノックアウト間違いなし。一発 KO だ。

2 人はたちまち愛し合うようになり、スマホで連絡を取り合う仲に。

と、まあ、翻訳が進んだのは、やっとここまで。
まだ、物語は始まったばかり。
これからの展開に、乞うご期待。

2014年6月2日月曜日

「Ram-Leela」(ラームリーラ) -- その 1

ようやく、「Ram-Leela」(ラーム-リーラ)の字幕翻訳作業に取り掛かった。
今回、2 つのことに新しく挑戦することにした。
1 つは、Win8 マシンで作業すること。
もう 1 つは、何の予備知識もなく、翻訳作業に入ること。

Win8 マシンを買ったのは 1 年以上前。
起動画面を見ただけで使う気になれず、そのまま放置してあったもの。
さすがに、もったいないと思い、今回、使ってみることにした。
必要なアイコンをデスクトップ上に並べておけば、使い勝手は Win7 と同じ。

しかし、起動直後のアプリの画面は何のために表示されるのか。
あの画面のどこが便利なのか、今のところさっぱり分からない。

さて、映画だが、今、開始から 18 分あたりを翻訳している。

対立する 2 つの一族が近所に住んでいる。
相手と戦うために、女子供まで武器を持っているとのこと。
子供が発砲されたことから、2 つのグループ間で大喧嘩が始まる。

そのころ、ラームは、、、
歌とダンスとともに、ラームが登場。


歌詞から察するに、勇敢で心優しい男、それがラームだ。

で、ラームの仲間が敵を殺そうとするのを、ラームが止める。
大喧嘩のあと、仲間内でそれが問題に。

「甥が撃たれたんだぞ!
俺たちが戦っているのに、こいつは気楽に歌い踊っていた!」

と、まあ、そんな感じだ。
これから、何がどうなるのやら。