それを見て、ラームの友人たちがラームに向かって言う。
「見事な報復だ、やったなラーム!」
この台詞(せりふ)は、一般的な日本人には理解しがたい。
しかし、インドではラームがリーラの家、つまりサネラ家に最大限の屈辱を与えたことになる。インドには、まだまだ保守的な考え方が残っていて、両親が決めた相手と結婚しなければならないと考える人も少なくない。それを拒否して娘が男と駆け落ちするなどは、一家、一族の恥以外の何でもないのだ。
インドやパキスタンでは、今も「名誉殺人」が後を絶たない。
最近も、「パキスタンで名誉殺人未遂、18歳女性を袋詰めで運河に投棄」とか「女性を撲殺し恋人男性の首を切断、インド北部で名誉殺人」てな事件があった。
イスラムだけではなく、ヒンズーでもカーストを越えて恋愛関係になり、駆け落ちでもしようものなら、親族一同が追いかけてきて、残虐な方法で命を奪うという事件が後を絶たない。
私の周りのインド人には日本人と結婚した女性もいる。親の了解を取り付ければ、「名誉殺人」などには発展しないし、そもそも日本人はカースト外だから、カーストが違うという理由で反対されることもない。
自由恋愛は悪である。これは、旧態依然としたインド社会の常識なのかもしれない。
世間手というやつだ。
しかし、誰もが自由恋愛に憧れている。
たとえば、インド人が本音で自由恋愛と悪だと考えているなら、自由恋愛をテーマにした映画など流行るわけがない。しかし、誰もが自由恋愛に憧れている証拠が、DDLJ であり、現在作業中の Ram-Leela だといえる。Devdas もそういった映画の 1 つかもしれない。
日本で言えば、まるで江戸時代の近松心中物ではないか。
ラームが敵の家の娘を誘惑して駆け落ちし、敵に大恥をかかせた、、、
つまり、ラームがサネラ家に報復したということになる。
う~む、インド映画は難しい。
でもって、村に帰ったラームはすっかり英雄扱い。
ラームの父は、ラームにこう言うのだ。
「敵のただ 1 人の息子を殺したうえ、敵の家名を地に落とした!」
そして、族長の座をラームに譲る。
「今日からお前が族長だ」
つまり、名誉殺人の背景にあるインド人のメンタリティーが理解できないと、この部分の進行は理解不能かもしれない。
う~む、インド映画は難しい。← 同フレーズ 2 回目
このように、扱っているテーマは相当に重いのだが、、、(以下、感想は映画の終了後に。言いたいことは山ほどあるが、最後まで見ないことには、的外れな感想になるに決まっているので)
敵の一族の女と駆け落ちしたら、敵をやっつけたことになる。
よく覚えておくように。
インドの保守的な文化は、まるでレイプしたら敵をやっつけたことになると言っているような、胸糞悪い文化だ。
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