2012年5月21日月曜日

インド映画と著作権

私は、インド映画の DVD を買ってきて、それに日本語字幕を付けて新しい DVD に焼き直し、ときにはそれを何人かの友人に貸して、字幕の出来を評価してもらっている。友人と上映会を開くこともある。

「そんなことをしたら著作権法違反だ!」という声も聞く。

著作権侵害は親告罪である。著作権者が「お恐れながら」と訴え出ない限り、刑事責任が問われることはない。しかし、違法状態は避けなければならないので、インド映画に字幕を付け、それを友人に見せる行為が合法か違法かを考えてみることにする。

著作権法については ここに詳しい説明 があるが、合法といえるのは次のようなケースである。
  • 自分が買った DVD を友人に貸す。
    不特定多数に貸すと違法だが、特定少数に貸すのは合法。 料金を取って貸しても、貸し出し先が特定少数の場合は合法だ。
  • 自分が買った DVD を他人に売る。
    中古映画 DVD 市場が存在するので、見終わった DVD を売って良いのは当たり前。2000円で買った DVD を 2000円で売れば、無料で映画を見ることができる。できるだけ多くの人で映画サークルを作り、順に DVD を売って行けば、1 人 1 人は安く映画を見ることができる。これ、合法。
  • 自分が買った DVD をコピーする。
    コピー プロテクトを意図的に外すと違法。外さなければ合法。インド映画 DVD の多くは、コピー プロテクトはかかっていない。
  • 人から借りた DVD をコピーする。
    日本コンパクトディスク・ビデオレンタル商業組合によると、これも合法だ。個人的に楽しむためのコピーなら、レンタル ショップで借りた DVD のコピーも OK とのことだ。
  • コピーした DVD を人に貸す。
    個人で使用するためにコピーした DVD を、特定少数に貸すのは合法と思われる。最初から貸し出す目的でコピーした場合は、「私的使用目的の複製」に当たらないので、違法の可能性が高い。
結論: 非営利目的の個人使用や特定少数への貸し出しは合法なので、「字幕の出来を見てよ」と言って、作成した日本語字幕付き DVD を貸すのは合法だ。


違法ダウンロード

ネット上には、多くのインド映画がアップロードされている。1 本丸々アップロードされていることもある。これをダウンロードすることは違法なのだろうか?

ダウンロードせずに再生して見るだけなら完全に合法だが、日本語字幕のインド映画がアップロードされていることはまずない。日本語字幕のインド映画を見ようと思ったら、ダウンロードして自分で日本語字幕を付けるという作業が必要になる。

違法ダウンロードとは、違法にアップロードされた映像や音楽を、違法コンテンツと知りながらダウンロードする行為をいう。つまり、違法と認識せずにダウンロードした場合は、違法ダウンロードには当たらない。

そこで私は、ネットからダウンロードするときには、合法コンテンツだと信じてダウンロードするようにしている。アップロードした人は、インド映画の著作権者か、著作権者の承諾を得た人に違いないと信じてダウンロードするわけだ。

YouTube などの動画サイトには、著作権侵害などの不正行為を報告し、削除を求めるシステムが備わっている。アップロードから 1 年以上を経過している場合は、旧作品のアップロードをプロモーションと位置付けて、著作権者が黙認している可能性は十分にある。

つまり、YouTube などにアップロードされているインド映画は、直ちに違法コンテンツとは判断できず、合法と信じてダウンロードすることに何ら問題はないと思われる。

もちろん、ダウンロードしたインド映画に日本語字幕を付けて個人で楽しんだり、特定少数の友人に見せるのも合法だ。

ぶっちゃけた話し

インド映画に日本語字幕を付けて、何人かの友人に見せたところで、著作権者に損害を与えているとは思えない。インド映画不毛の日本にインド映画を普及させようとする行為ととらえてもらえば、インド映画界にとっては、むしろ利益と考えられるのではいだろうか。


1 件のコメント:

  1. こんにちは
    学生のMと申します。
    インド映画大好きです。
    字幕付きで友達に渡してるなんて感動しました。私も見たい。

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