「なぜ 俺を大臣に任命しない!
理由を聞かせてもらおう」
驚いて見に来たジョーダ。お付きの何人かと、物陰から様子を見ている。
「皇帝に大声で話している人は誰?」とジョーダ。
「アドハム カーン。嫌な奴よ」と、宦官のニマット。
アドハム カーンは、ジャラルディンの乳母マーハム アンガーの息子だ。ジャラルディンとは兄弟同然に育った。ジャラルディンより年上で、マーハム アンガーとともに、ムガルの実権を握っていた。
ジャラルディンは、アンガーに向かって、
「なぜ アドハムを首相に任命しなければいけないのですか。
私は戦争の捕虜を虐待したり、無理に改宗を迫ることはないと宣言した。
しかし、アドハムはその命令を破った。アドハムの行為は、ムガルの恥だ」
すかさず、アドハムが言い返す。
「ヒンズー教徒と結婚することが、名誉なことなのか」
その言葉に、怒り爆発のジャラルディン。
「黙れ アドハム!
王女には敬意を払え。
彼女がインドの皇后だという事を忘れるな。
彼女に対する無礼は許さんぞ」
そう言われては、アドハムも引き下がるしかなかった。
このやり取りのすべてを聞いていたジョーダ。
ジャラルディンに対する評価が 1 ポイント アップだ。
閉ざされていたジョーダの心が少しずつ開いてくる。
一方、シャリフディンの支援が得られなかったスージャマルは、アジャブガーのラタン シンのもとを訪れていた。そこには、ウダイガール王のラーナ ウダイ シンもいた。
「ジャラルディンの軍に対抗するには、我々は違いを乗り越えて、手を組まねばならない」
ムガルの宮殿では、ジャラルディンがすっかりジョーダに夢中。
インド映画は、これを歌で表現する。『Jashn E Baharaa』(祝福の風?)。ジャラルディンとジョーダの愛情を上手に表現した良い曲だ。
曲の間に、ジャラルディンが鍛えられた上半身をこれ見よがしにさらして、剣の練習をしているシーンが入る。うっとりと見とれるジョーダ。
やはり、男は肉体美だ!
ジャラルディンも、ジョーダが見ていることを意識している。
やったね、ジャラルディン。2 人の心が、どんどん近付いている。
ジョーダのもとに知らせが入る。皇帝が、ピールの日(?)にラジプート料理を望んでいるという知らせだ。ジョーダには、皇帝から豪華なアクセサリーの贈り物が届く。
「皇帝は、ジョーダ様の気を引こうとなさっているのだわ」
「だったら、私も無関心ではいられません。料理を作ります」
「それはいけません。皇后が料理を作るなど」
「皇后として作るのではありません。妻として作りたいのです」
宮殿の台所でラジプート料理を作り始めたジョーダ。
そこへ、マーハム アンガーがやってくる。
「何様のつもりなの」
「何がいけないのでしょうか」
「まず、このアーグラ城にヒンズー寺院を作り、今、台所にいる。
何を企んでいるか分かっているわ」
「私は台所にいますが、それが何か?
妻として当然のことだと思いますが」
マーハムはジョーダに向かって言う。
「まだ結婚したとは言えないのではありませんか。
結婚したと言えるのは、世継ぎが生まれたときです」
「ムガルを存分に楽しむといいわ。
しかし、ムガルの一員になろうなどとは思わないでね」
「私があの子を、あなたの自由にさせるとでも思っているの!」
と、まあ、こんなやり取りがありまして、、、
典型的な乳母の嫉妬だ。
やがて料理が出来上がり、皇帝に振る舞われる。
「陛下、本日の献立は、ダール バッティ チュルマ、
ケールサングリ、ピスホーデ、ガッテ、ティルパープディ、
パンチメールサブジ、でございます。
デザートには、ゲーヴァーとソーハン ハルワを
用意いたしました」
今も食べられているラジャスタン料理の名前が、ぞろぞろと出てくる。
ナンとキーマカレーだけがインド料理じゃない!
インドは広いのだ。地方地方に独自の料理がある。
どんな料理か気になるので調べてみた。
リンク先(英語)にはレシピも掲載されているので、作ってみようと思う勇者は参考に。
ジャラルディンは、料理長のバカワルに言う。
「見事だ。バカワル」
「申し訳ございません。その料理は皇后がお作りになりました。私ではございません」とバカワル。
「なぜ、そのような面倒なことをした」とジャラルディンがジョーダに問うと、
「面倒なことではございません。私にとっては喜びでございます」なんてことをジョーダが言う。
そこへ、マーハム アンガーが割って入る。
「皇帝に出される料理は、料理人が毒見をすることになっています。
本日の料理はジョーダ皇后が作ったので、
皇后に安全を証明していただかなければなりません」
何と、ジョーダに毒見をしろいうのだ。
マーハムの言葉には逆らえないジャラルディン。
ジョーダは、皆の前で毒見をさせられる。
毒見が終わると、ジャラルディンは言う。
「皇后が毒見に使った皿をこちらへ。同じ皿で食事をしたい」
ジョーダは、どこで料理を覚えたのか。
料理人もビックリの腕前を発揮する。
「見事な料理だ」とジャラルディン。
「どの一口も賞賛に値する。
今後、ピールの日には、ジョーダ皇后の精進料理を食べることにしよう」
料理を絶賛してくれればジョーダも嬉しいに決まっている。
ジャラルディン、またまたポイントを獲得!
ジョーダの心を次第につかんでいく。
再び、愛の歌『Jashn E Baharaa』が流れる。
2 人が互いに惹かれあっていく様子が、よく描かれている。
こういうときは、必ず何かが起こる。
ジョーダに優しく接してくれていたハミーダ(ジャラルディンの実母)が、地方視察でアーグラ城からいなくなると、、、
インド映画は、期待を裏切らない。
何が起こるかは、次回のお楽しみ。
ここまでの上映時間、1 時間 45 分。
ハリウッド映画なら、そろそろ最終盤。
インド映画は、そろそろ中間点だ。
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