2012年8月28日火曜日

インド映画『Delhi Belly』(デリ ベリー) -- その 5

またまた「Delhi Belly」から。今回は、いよいよニティンの登場。
カメラマンのニティン、面白すぎる。
少しくらい悪いことをしても、それがどうした?  得をして、楽しく生きようぜ。
そんなニティンの台詞に、こんなのがある。

ダイヤの密輸組織から追われることになった 3 人。そもそものきっかけは、タシの婚約者ソニヤが運び屋のウラジミールから荷物を預かったこと。事件に巻き込まれた 3 人が乗っているのは、タシがソニヤの父親から貰った車だ。そこで、ニティンが言う。

And I know this is your dowry, man,
(こいつは、あの娘の嫁入り道具だよな、お前)
but this is an ugly fucking ugly car, okay -
(しかし、これは最低最悪のクソ車だ、いいか)
when a donkey fucks a rickshaw, this is what you get.
(これは、ロバが力車と一発やって貰ったものだ)

多くの Delhi Belly ファンお気に入りの台詞だ。
ちなみに、ロバが引く rickshaw (リクショウ: 力車)とは下のような乗り物(語源は、日本語の「人力車」)。


タシとソニヤの結婚について、アループはタシに、こんなことを言っている。

I'm getting married.
(俺は結婚する)
Yeah, we know that.
(ああ、知ってる)
No, getting married next month.
(いや、結婚は来月だ)
Really, I thought this wasn't happening till like next year.
(本当か、来年まではしないと思ってた)
Yeah, but then I thought, what difference? Sooner the better.
(ああ、しかし大した違いはないだろう? 早い方が良い)
Right up till the moment they chop his head off, the goat thinks he's going for a walk in the park.
(ヤギは首を切り落とされるその時まで、公園に散歩に行くと思っているものだぜ)
 
名言というか、何というか、最近、気の利いた台詞の映画が少なくなったように思う。
そういう意味でも、この Delhi Belly は面白い。
 

2012年8月17日金曜日

インド映画『Delhi Belly』(デリ ベリー) -- その 4

今回も Delhi Belly。
この映画、何度見ても面白い。すっかり、はまってしまった。

恋人のリツーに約束をすっぽかれたアループが翌日リツーの家を訪ねると、見知らぬ男がいる。

Ritu's friends are my friends.
(リツーの友だちは、俺の友だちだ)
Arup, this is Vivek -
(アループ、この人はビベック)
- he's a computer engineer in Canada.
(カナダのコンピュータ エンジニア)
Hey, nice to meet you , dude -
(よろしくな)
- I hope you're coming for the wedding.
(ぜひ、結婚式に来てくれ)
Wedding?
(結婚式だって?)
He doesn't know?
(知らないのか?)
l was just about to tell him -
(言おうとしていたところなの)
- he's a cartoonist.
(彼は漫画家)
A cartoonist?
(君は漫画家か?)
Like - like Chacha Choudhry?
(たとえば、チャチャ チョーダリーのような?)
Yeah, like Chacha Choudhry.
(そう、チャチャ チョーダリーのような)

チャチャ チョーダリーは、インドを代表する漫画。
知らないのは日本人だけ?

ビベックとの別れ際、握手をしようとする手を引っ込めてビベックが言う。

- old jungle saying -
(古くからのジャングルの教え)
- phantom fist is quicker than the eye.
(ファントムの拳は目よりも速い)

Old jungle saying」は、アメリカのコミック「The Phantom」に出てくる言葉。
アメリカのほか、インド、ブラジル、オーストラリアあたりで人気の漫画らしい。
知る人ぞ知る、知らない人は何が面白いのか分からない。
知って面白さを味わおう。

When were you planning to tell me?
(いつ、言うつもりだったんだ?)
Arup, it doesn't matter -
(アループ、そんなことどうでもいい)
- in a month, I'm moving to Canada.
(1 カ月もしたら、私、カナダに行くの)
You should go now, Arup. Please.
(だから、もう帰って、アループ、お願い)
Good luck with your cartooning.
(漫画、頑張ってね)

言いたいことも言えないアループ。以下は、アループの空想の世界。
アループはディスコ ファイターとなって、2 人の結婚式に乗り込む。

The bride and groom may now exchange garlands.
(新郎と新婦は花輪の交換を)
Stop!
(待った!)
This marriage cannot happen!
(この結婚は認められない!)
This girl has given me blowjob.
(その女は、私の一物をしゃぶった)
And because I am 21 st century man, I have given her oral pleasure also.
(私も 21 世紀の人間だから、彼女の口に快楽を与えた)

やったぜ、アループ!
こんなこと、結婚式で言えたら、どれだけスカッとすることか。
ここで流れるのが「Jaa Chudail」。 Chudail は本来「魔女」という意味だが、スラングで bitch の意味にもなるようだ。ここでは、「淫乱め、地獄へ落ちろ」と歌っている。


しかし、現実のアループは頭をそって坊主になり、失恋の痛みをじっとこらえるのであった。

  
頑張れ、アループ。耐えるんだ!!  

2012年8月16日木曜日

インド映画『Delhi Belly』(デリ ベリー) -- その 3

今回は、Delhi Belly の同居人 3 人の 1 人、アループを取り上げる。
英語では cartoonist (漫画家)だが、日本ではイラストレーターの範疇だ。

下がアループの作品。日本でいう漫画とは、少し違う。


このイラストについて、会社の上司(美術監督のバネージ)とアループの会話。

Okay Arup, this is nice. Very nice.
(いいぞアループ、これは良い。実に良い)
Thanks.
(ありがとうございます)
But do you think you can make him a little happier?
(しかし、もう少し幸せにできないか?)
Happier? Who, the banana?
(幸せに? バナナをですか?)
Haan, you know like he's having fun.
(そうだ、分かるだろ。楽しんでいるように)
All his life he's wanted to be in a banana-split -
(こいつは、ずっとバナナスプリットになりたいと思っていた)
- and this is like a dream come true.
(そして、夢が叶った)
Dream come true, for the banana?
(夢が叶った、バナナの?)
You know happy, something like -
(幸せだ、こんな感じ)


しかし、後日・・・

Only thing, they felt that the banana is smiling too much.
(客が言うにはバナナが笑い過ぎだ)
Too happy.
(幸せすぎる)
You want me to make him sad?
(悲しくするんですか?)
Yes, not too much. About seven percent.
(そう、しかしやり過ぎるなよ。 約 7 % だ)

ギャングから横取りしたダイヤを売って大金を手に入れたタシ、ニティン、アループの 3 人。
アループは、上司に電話を入れると、、、

Bannerjee, you fucking hack!
(バネージか、このクソジジイ!)
You blot on every Bong art director in the business!
(お前は最低の美術監督だ!)
I quit.!
(俺は辞める)
You talentless whore -
(このバカ野郎)

勤め人なら、一度は言ってみたい台詞だ。
しかし、その直後、ギャングから電話。
タシの恋人ソニヤを誘拐した、1 時間以内にダイヤを持って来いと言う。
金を返して、ダイヤを買い戻すことになったが、、、

What?
(何だって?)
Take the money back?
(金を返すだと?)
I just quit my job -
(仕事を辞めたばかりだぞ)
- no, you're right, we have to do the right -
(いや、お前は正しい。 正しいことをしよう)
I - they didn't recognize me, I can always tell them it wasn't - crap!
(あいつらは俺を認めなかった。これで、言えなかったことがいつでも言える。クソッ!)


アループと仕事の関係は、こんな感じだ。
生活のためには、言いたいこともじっと我慢。日本もインドも変わらない。