2014年4月25日金曜日

『Chennai Express』 (チェンナイ急行)-- その 4

祖父の遺灰をラーメーシュワラムの海にまき、目的を果たしたラフール。

「これで永久にお別れね」とミーナ。
「僕とムンバイに来ないか? そこでなら、安全に暮らせる」
「あなたの家で私が何をしているのか、父が尋ねたら、あなたはどう答えるの?」
「それは、、、つまり、、、僕と君は、、、」
「ありがとう、ラフール」

煮え切らないラフール。
自分の気持ちを正直に言えよ、ラフール!
流れる曲は、「Tera Rastaa Chhodoon Na」(決してあなたを離さない)。


Meherbaani nahi tumhaaraa pyaar maangaa hai
好意はいらない、あなたの愛が欲しい
Tumhein manzoor hai tabhee to yaar maangaa hai
あなたが許してくれるなら、あなたの愛が欲しい
Gairon ke dar se, tere sheher se
あなたのことが心配だから
Hai kasam rishtaa todun na..
僕は約束する、2 人の関係は決して壊さない
Tera rastaa main chhodoon naa
決してあなたを離さない

Agar ye hai nahi, to phir jaanay pyaar kyaa hai
これが愛でないなら、愛って何なの?
Mere bheetar tu, kise parvaah aur kyaa hai
あなたが愛してくれるなら、他に何もいらない
Tera rastaa main chhodoon naa
決してあなたを離さない

Zindaa hoon lekin, wo baat nahi hai
僕は生きている、しかしもう何の意味もない
Haathon mein teraa, jo haath nahi hai
あなたは 手の届かないところに去っていく
Ishq kaa hai naam badaa, maine hai kiyaa kaam badaa
愛の力は大きい、僕は、あなたを愛した
Kar ke magar aadhaa chhodoon naa
僕には、やり残したことがある
Tere rukh se ye chehraa moDoon naa
僕はあなたを守り続ける
Tera rastaa main chhodoon naa
決してあなたを離さない

上の歌詞で、「僕にはやり残したことがある。僕はあなたを守り続ける」がこの後の展開のキーワード。ビダンバ村で新婦を抱き抱えて 300 段の階段を上る儀式の後の村人の言葉「ミーナ、彼は生涯、あなたを守るだろう」とも重なってくる。

ラーメーシュワラムから車で帰ってくる 2 人。ミーナは眠っている。
車が到着したのは、コンバン村!
「なぜ、ここへ来たの!」
「道を間違えたわけじゃない」とラフール。

2 人を取り囲む村人。ミーナの父親もいる。
ラフールはミーナの父親に向かって言う。
「あなたは、お嬢さんを愛していないのですか?
あなたは、お嬢さんが嫌がっている相手と結婚させようとしています。
しかし それはお嬢さんの人生を犠牲にすることです。
あなたは、父親失格です」

タンガバリに向かって
「お前は何と言った?
"お前は生きてここに来たが、生きてここからは出られない"
"お前をバラバラに切り刻んでやる"
そうだな! 僕は戦う! お前と戦う!」

そして、村人全員に向かって
「お前たちと戦う! 誰とでも戦う! 必要なら村人全員と戦う! ミーナのために。
なぜなら、ミーナを愛しているからだ!」
やった、ラフール! よく言った。

村の連中がラフールに襲いかかる。ラフールはスコップを振り回して反撃する。
そして、タンガバリとの 1 対 1 の戦い。
最初はボコボコにされるが、、、


映画は、ラフール自身のナレーションで終わる。
「僕がコンバン村の英雄になれたのは、すべて祖父のお陰だ。
祖父は僕を目覚めさせてくれた。ラーメーシュワラムで遺灰をまいたときに。
これで 物語は終わりだ。
乗り違えた列車、チェンナイ急行が僕に正しい道を教えてくれた。
そして、今日、ミーナにはっきりと言う。心から愛していると」

これぞ、インド映画!
シャールク・カーンの魅力が十分に引き出されている。
ストーリーも、歌も、ダンスも、すべてがよくできた映画だ。
いい映画を見せてもらった。大満足だ。

2014年4月23日水曜日

『Chennai Express』 (チェンナイ急行)-- その 3

ミーナの父親の車を奪ってコンバン村を脱出したラフールとミーナ。
車が故障したり、故障したその車が川に沈んでしまったり、
喧嘩してお互いに別の道を行こうとしたり、、、、


しかし、運命の神は再び 2 人を結びつける。
2 人でたどり着いた村は、ビダンバ村。
村では結婚式が行われている。

ミーナが村人と何やら話し、ラフールを見る。
この前は、首を縦に振ってひどい目に会ったラフール。
二度と首を縦に振るまいと決めている。
首を横に振ると、それを見た村人はにこやかに笑っている。

またミーナが村人に何やら話し、ラフールを見る。
今度はラフール、首をぐるぐる回す。
すると、村人がラフールのところに集まり、ラフールを担ぎ上げて家に運び込む。

「何がどうなっているんだ?」
「駆け落ちしてきたと言ったの」とミーナ。
「あなたは私を置き去りにして、行くはずがないと言ったの」
ラフールが首を横に振ったときだ。
「それから、あなたが旅に疲れて、めまいがしていると言ったの」

こうして、村人に受け入れられた 2 人。
翌日、新婚夫婦のための儀式が行われる。
村の新婚夫婦に加えて、ラフールとミーナの 2 人も儀式に参加することに。
儀式というのは、新郎が新婦を腕に抱えて、寺院まで 300 段の階段を上がるというもの。


途中で降ろすことなく寺院まで妻を運んだら、夫婦の絆が深まると信じられている。
ラフールは、ミーナを寺院まで運ぶ。
村人は言う。「ミーナ、彼は生涯、あなたを守るだろう」

儀式の締めくくりとして、結婚の印であるクムクム(赤い粉)をラフールがミーナの頭に付ける。日本でいえば、三々九度の杯を交わしたようなものだ。こんな状況になれば、ミーナだけじゃなく、女性なら誰でも心が熱くなるよね。


そして、「Titli」(ティトリ:蝶)が流れる。美しい曲だ。特に、歌詞が素晴らしい。


Ban Ke Titli Dil Uda Uda Uda Hai Kahin Door
ばん け~ てぃとぅり~ でぃる うだ うだ うだ へ~ かひん ど~る
私の心は 蝶のように飛んでいく

Chal Ke Khushboo Se Juda Juda Juda Hai Kahin Door
ちゃる け~ くしゅぶ~ せ じゅら じゅら じゅら へ~ かひん ど~る
私の心は 遠くの香りに舞い降りる

Haadse Yeh Kaise, Ansune Se Jaise
は~どせ いぇ けいせ あ~んすね せ じぇ~いせ
こんなふうに 光を感じたのは初めて

Choome Andheron Ko, Koi Noor
ちょ~め あんへ~ろん こ こい ぬ~る
暗闇が光に口付けされたみたい

Ban Ke Titli Dil Uda Uda Uda Hai Kahin Door
ばん け~ てぃとぅり~ でぃる うだ うだ うだ へ~ かひん ど~る
私の心は 蝶のように飛んでいく

好きな曲なので、機会があればカラオケ動画でも作ってみたい。
さて物語の続きだが、この曲を境に 2 人はてっきり愛し合うことになると思ったが、見事に裏切られた。ラフールは、村人に何も告げずに村を出ると言い出す。ミーナが難色を示すと、ラフールが言い放つ。

「そうか、なるほど。君は僕の妻を演じ始めてから、それを楽しんできたんだ。いいか、君の頭にクムクムを付けたからといって、本当に結婚したわけじゃない」
何と、ひどいことを言う奴だ。

ラフールは、ミーナを残して村を出てしまったものの、若干後悔の念も。
やはりミーナのことが気になり、村に戻ることに。

シーン変わって、ラフールの勝手な行動に愕然としたミーナが柱に寄りかかって座っている。
そこへラフールが戻ってくる。
「帰ってきたの」、そう言ってミーナが振り返ると!


2 人はタンガバリに捕まってしまうが、、、
DVD 買って見ましょう! 絶対に面白い!
アクション コメディーの真骨頂、笑えるシーンがそこら中に散りばめられている。

タンガバリが鎌を持ってラフールに襲い掛かろうとしたそのとき、村人が助けに入る。
逃げろ! 村人が車のキーをラフールに投げる。
しかし、ミーナは車とは違う方向に走っていく。
ミーナは、ラフールの祖父の遺灰が入った壷を取りにいったのだ。

タンガバリから逃げることに成功した 2 人。
ラフールの祖父の遺灰をラーメーシュワラムの海にまきにいくことに。
ラフールの気持ちにも変化が。

ラーメーシュワラムへの車の旅。流れる曲は、前回紹介した「Kashmir Main Tu Kanyakumari」(カシミールは私、あなたはカンヤークマリ)。


この曲も、本当にいい曲だ。歌詞が面白い。DVD の英訳は、かなり意訳してあったので、できるだけ直訳調の英訳を探し出して、自分なりに日本語に訳してみたのが下だ。

時々 2 つの道は並んで走る
まるでゴムでくっついているように

時々災いが倍になる
2 人で歩くと災いも半分に

あなたの私、私のあなた、2 人の物語は変化にあふれてる
2 人の物語は 時々停止する

カシミールは私、あなたはカンヤークマリ
北の端と南の端が一緒になった

カシミールはあなた、私はカンヤークマリ
どんなときも 2 人はパートナー

こうして、2 人は聖地ラーメーシュワラムに着く。
祖父の遺灰をまくラフール。


40 歳にもなって人生の目的も、本当の愛も知らなかったラフールの心に変化が。
物語は、いよいよクライマックスへ。
(続く)

2014年4月21日月曜日

『Chennai Express』 (チェンナイ急行)-- その 2

チェンナイ急行の主な登場人物は、次のとおり。

ラフール (シャールク・カーン)

祖父母に育てられ、40 歳だというのに
女性と真剣に付き合ったこともない。
人の信頼も愛も平気で裏切る最低の男だったが、
ミーナと出会って人生が一変する。

ミーナ (ディーピカ・パドコーン)

父親が決めた相手との結婚がイヤで
自分の村から逃げ出す。
ラフールと逃げているうちに、ラフールに
愛を感じるようになる。

ドルゲシュワラ・スンダラム (サティヤラージ)

南インド、コンバン村のボス。
ミーナの父。
伝統の中で生きている頭の古い親父だが、
それほど悪人ではなさそう。


タンガバリ (ニキティン・ディール)

大男でミーナの婚約者。
どんなことも腕力で解決できると思っている。
乱暴者で単細胞だが悪い奴ではない。 

サムシェール (ムケシュ・タイワリ)

コンバン村が管轄の警官。
ミーナの父やタンガバリを恐れている。


地名も、頭に入れておいたほうが良いかも。


主人公のラフールは、ムンバイに住んでいる。
悪友とゴアに行く計画を立てる。
祖父が死んだ後、祖父の希望は、遺灰をヒンズー教の 4 大聖地の 1 つであるラーメーシュワラムの海にまいてほしいということだったのに、旅行先のゴアでまくつもり。

チェンナイ急行は、ムンバイ-チェンナイ間 1279 キロを約 20 時間で結ぶ。
ちなみに、東京-博多間は 1175 キロ。「のぞみ」なら 5 時間半だ。
映画を見たら分かるが、車窓が開いている。どうやら冷房がないようだ。
冷房のない列車で 20 時間は辛いかも。

ラフールが途中下車しようとしたカルヤン駅は、ムンバイから約 45 キロ。チェンナイ急行の最初の停車駅だ。ここで、ミーナとの出会いがある。

インドの北の端カシミールと南の端カンヤークマリは、映画の中で流れる曲「Kashmir Main Tu Kanyakumari」(カシミールは私、あなたはカンヤークマリ)に出てくる地名。北の端と南の端が出会って恋に落ちたとか何とか、そんな内容の歌詞だ。インドの南端の町の名がカンヤークマリだとは知らなかった。また、1 つ賢くなってしまった。インド人は全員知ってるのか? 今度、聞いてみよう。

この映画、南インドの雰囲気がプンプン。
知り合いのインド人に言わせると、北インドから見た南インドは、まるで外国だとのこと。

この映画、ラフール以外、ほぼ全員がタミル語を話す。
ミーナやサムシェール(パンジャブから来た警官)が通訳するが、映画を見ている観客が分かるのか不思議だった。何人かのインド人(インド人 1 人、ネパール人 1 人、バングラ人 2 人)に聞いたところ、全員同じ答え。タミル語は話せなくても、何を言っているのか、何となく分かるんだって。

粗訳は全部終わった。結末まで見た現時点での評価を言うと、限りなく S に近い A だ。
男女の愛も知らない、信頼を裏切っても平気。人生の目的もない。そんなラフールを一変させる出来事。ラフールが本当の愛を見つけるまでの物語。それがチェンナイ急行だ。

前回のあらすじ紹介は、タンガバリが登場するところで終わったので、今回はその先をザッと紹介する。

タンガバリは、ミーナが別の男を連れてきたことを、自分の名誉の問題だと言う。
ラフールは、名誉の問題なら自分を逃がしてくれるはずだと考える。
タンガバリがタミル語で言うと、意味が分からないのに、ラフールは首を縦に振る。
「お前が本当の男なら、俺と戦え。お前が勝てば、ミーナはお前のもの。俺が勝てば、ミーナは俺のものだ。どうだ?」

こうして、タンガバリと戦うことになったラフール。
「何とか逃げられないか」とミーナに助けを求める。
ミーナは「何とかする」と答える。

戦いの夜、村人が大勢集まっている。ビビリまくっているラフール。
と、突然、歌とダンスが始まる。


ラフールが歌う歌詞が面白い。
「僕は悪魔と泥沼に立往生♪ どうすれば良いか、誰か教えて♪」
皆がタミル語で歌っているのに、ラフールだけがヒンディー語で歌う。
村人は、誰一人ヒンディー語が分からないという設定だ。

踊りながら酒をがぶ飲みしたラフールは、グデングデンに。
逃げる手段として、ミーナがバイクを用意しているのに、ラフールは分からない。
ミーナを追ってきた男たちや、ミーナの父や、タンガバリを散々バカにした挙句、ミーナが用意したバイクに乗って 1 人で逃げてしまう。

しかし、泥酔していてすぐに転倒。そこを警官のサムシェールに助けられる。
そして、匿われた部屋で寝てしまう。

次の日、目を覚ますと、そこは船の上。海の真ん中に浮かんでいる。
「ライフ・オブ・パイか」とラフール。

船は、スリランカに向かう密輸船だったが、インド海上警察に捕まってしまう。
ラフールが、自分がインド人だということ、祖父の遺灰をまきに来たことを正直に話すと、海上警察官は言った。
「それなら コンバン村の連中は、お前を知っているな?」

こうして、コンバン村に連れ戻されたラフール。
ミーナの父親とタンガバリは、ラフールを殺しかねない様子。
ラフールは鎌を見つけ、その鎌をミーナの喉に当てて「ミーナを切るぞ!」


こうして、車を奪ってコンバン村を脱出したラフールとミーナ。
その後、色々あったものの(その色々が面白い!)、2 人はビダンバ村に到着する。

長くなったので、今回はこの辺で。(続く)

2014年4月17日木曜日

『Chennai Express』 (チェンナイ急行)-- その 1

あまり期待せずに訳し始めた「Chennnai Express」(チェンナイ急行)だが、最高に面白い!
あまりの面白さに作業がドンドン進み、3 日で全体の約 70 %の粗訳が終わるという異例の速さ。この調子が続くと、今週中に粗訳が完成してしまう。

この映画、奇想天外なストーリーながら、観客を無理なくその世界へ引き込んでいく。
シャールク・カーン演じる主人公のラフールは、祖父の遺灰をラーメーシュワラムの海にまくため、ムンバイから南インド行きのチェンナイ急行に乗り込む。

ラーメーシュワラムは、インドの南端近くの東海岸にある。海を隔てて、すぐ近くがスリランカだ。しかし、友人とゴアに旅行する計画を立てていたラフールは、途中の駅で下車して友人たちと合流することに。計画通りにチェンナイ急行を途中下車したものの、祖父の遺灰を入れた壷を列車内に置き忘れたことに気付き、ラフールは慌てて駆け戻る。

列車はゆっくりと動き出すが、遺灰壷を無事回収。そして、列車から降りようとしたとき、1 人の女性が列車に乗ろうと走ってくる。ラフールは身を乗り出し、手を差し出して、女性を助けようとする。

バックに流れる音楽は、シャールク・カーンとカジョールが競演したあの名作「Dilwale Dulhania Le Jayenge」(DDLJ: 勇者が花嫁を連れ帰る)のテーマ曲「Tujhe Dekha To Ye Jaana Sanam」(トチェ・デカ・ト・エ・ジャーナ・サナム: 君と出会って初めて知った)。


あの名シーンのパロディーだ!
ちなみに、カジョール演じるシムランが走ってくる DDLJ の感動のラストシーンは、こちら。


しかし、今回の相手役はカジョールではなく、「Om Shanti Om」(オーム・シャンティ・オーム)以来 2 度目の共演となるディーピカ・パドコーン。インドを代表する美人女優だ。学生時代まで南インドのバンガロールで育ったとあって、南インドの言葉は得意。「チェンナイ急行」では、タミル語や、タミル訛りのヒンディー語を話す役で、ピッタリのキャスティングだ。

さて、「チェンナイ急行」に戻ろう。
乗り遅れそうになって走ってきた女性を助けたラフールが列車から降りようとすると、大男が走ってくる。ラフールは手を差し出して、乗り込むのを助ける。すると、また別の大男が!

結局 4 人の大男を助けたラフール。気が付くと列車は既にホームを離れ、降りることができなくなっている。このあたり、大いに笑える。誰もが、すっかりこの映画にはまってしまうこと間違いなし。

ラフールは、助けた女性および大男 4 人とチェンナイ急行で同席することに。
大男 4 人は、タミル語しか話せず、ヒンディー語は分からない様子。

女性が言うには、この男たちに誘拐されたとのこと。
隙を見つけてラフールのスマホで電話しようとするが、見つかってスマホを列車の外に捨てられてしまう。「僕のスマホ、どうしてくれるんだ!」と抗議すると、、、


男たちが武器を持っていることを知った車掌も、男たちの武器を取り上げたものの、隙をつかれて列車の外へ投げ捨てられてしまう。

女性の名はミーナ。父親はコンバン村の無法者たちのボス。
父親が決めたタンガバリとの結婚がいやで逃げ出したが、父親の手下で、ミーナの従兄弟でもある 4 人の大男たちが追ってきたのだ。

「何とか助かる方法はないか」
ラフールが聞くと、ミーナは、
「コンバン村に着いて、父の前で私があなたの方を見たら、首を縦に振って」

やがて列車はコンバン村へ。
男の 1 人が、緊急停止用のチェーンを引く。
驚くラフールに向かってミーナが言う。
「どうってことないわ。いつものことよ」

列車が停止した場所が、これまた、すごい所!
南インドって、こんなところがあるんだ。


橋の上で大勢の村人が出迎えている。その中に、ミーナの父親も。

「何度逃げ出したら気が済むんだ!」と父親。
「タンガバリとは結婚したくないの。他に好きな人がいるの」
「そいつは誰だ」
「彼」

そう言ってラフールに目をやるミーナ。
ラフールは、タミル語が分からない。ミーナが父親に何を言っているのか分からないまま、ミーナに言われたとおり、首を縦に振る。

「ミーナは、この男が好きだ。こいつを連れて来い」
父親がそういうと、村人はラフールを担ぎ上げる。
村へ向かう車の列。やがて車の列は、コンバン村に到着。
ラフールは、ミーナの家族の歓迎を受ける。

コンバン村に向かう途中のラフールとミーナの会話や、コンバン村でのサブストーリーが面白いが、ここでは省略。ぜひ、映画を見て面白さを味わってほしい。単純な笑いだが、非常に面白い。

そうこうしている内に、ミーナの結婚相手だったタンガバリが現れる。
タンガバリは、ミーナの父親に向かって言う。
「俺がミーナと結婚することになっていたはずだ」


タンガバリは雲をつく大男。演じているのは、ニキティン・ディール。2008 年の名作「Johdaa Akbar」(ジョーダ・アクバル)で、リティク・ローシャン演じる主人公、ジャラルディン・ムハンマド・アクバルの敵役であるシャリフディン・フサインを好演した。ワルの大男をやらせたら、第一人者だ。

主要な登場人物がそろったところで、「起承転結」の「起」が終了。
さて、これからどうなるか。いよいよ物語が盛り上がってくる。
(続く)

2014年4月13日日曜日

Guru(グル)の完成と次回のテーマ

ようやく、Guru の日本語字幕が満足できるレベルになったので、字幕倉庫で公開しました。

Guru で感心するのは、主人公グル・カーン・デサイ役アビシェーク・バッチャンの真面目な演技。体重もかなり増やして役作りしており、非常に努力しているのが伝わってくる。しかし、なぜか存在感が希薄だ。何が足りないのかよく分からないが、印象が薄い気がする。

アビシェーク・バッチャンの良さを引き出す映画が登場するのを期待したい。
たとえば、ショーレイに出てきたガッバルのような悪人役はどうだろう。

さて、今回の Guru に時間がかかりすぎてすっかり疲れてしまったので、次回は気楽に見られる娯楽映画、2013 年 8 月に公開された Chennai Express (チェンナイ・エクスプレス)に挑戦することにした。


シャールク・カーンの映画を長く見ていないので、久々にシャールクの映画と思ったが、2010 年の My Name Is Khan はテーマが重そうなので、今回は見送ることにした。


シリアスな映画を見る気力が戻ったら、こちらにも挑戦してみたい。