2014年4月17日木曜日

『Chennai Express』 (チェンナイ急行)-- その 1

あまり期待せずに訳し始めた「Chennnai Express」(チェンナイ急行)だが、最高に面白い!
あまりの面白さに作業がドンドン進み、3 日で全体の約 70 %の粗訳が終わるという異例の速さ。この調子が続くと、今週中に粗訳が完成してしまう。

この映画、奇想天外なストーリーながら、観客を無理なくその世界へ引き込んでいく。
シャールク・カーン演じる主人公のラフールは、祖父の遺灰をラーメーシュワラムの海にまくため、ムンバイから南インド行きのチェンナイ急行に乗り込む。

ラーメーシュワラムは、インドの南端近くの東海岸にある。海を隔てて、すぐ近くがスリランカだ。しかし、友人とゴアに旅行する計画を立てていたラフールは、途中の駅で下車して友人たちと合流することに。計画通りにチェンナイ急行を途中下車したものの、祖父の遺灰を入れた壷を列車内に置き忘れたことに気付き、ラフールは慌てて駆け戻る。

列車はゆっくりと動き出すが、遺灰壷を無事回収。そして、列車から降りようとしたとき、1 人の女性が列車に乗ろうと走ってくる。ラフールは身を乗り出し、手を差し出して、女性を助けようとする。

バックに流れる音楽は、シャールク・カーンとカジョールが競演したあの名作「Dilwale Dulhania Le Jayenge」(DDLJ: 勇者が花嫁を連れ帰る)のテーマ曲「Tujhe Dekha To Ye Jaana Sanam」(トチェ・デカ・ト・エ・ジャーナ・サナム: 君と出会って初めて知った)。


あの名シーンのパロディーだ!
ちなみに、カジョール演じるシムランが走ってくる DDLJ の感動のラストシーンは、こちら。


しかし、今回の相手役はカジョールではなく、「Om Shanti Om」(オーム・シャンティ・オーム)以来 2 度目の共演となるディーピカ・パドコーン。インドを代表する美人女優だ。学生時代まで南インドのバンガロールで育ったとあって、南インドの言葉は得意。「チェンナイ急行」では、タミル語や、タミル訛りのヒンディー語を話す役で、ピッタリのキャスティングだ。

さて、「チェンナイ急行」に戻ろう。
乗り遅れそうになって走ってきた女性を助けたラフールが列車から降りようとすると、大男が走ってくる。ラフールは手を差し出して、乗り込むのを助ける。すると、また別の大男が!

結局 4 人の大男を助けたラフール。気が付くと列車は既にホームを離れ、降りることができなくなっている。このあたり、大いに笑える。誰もが、すっかりこの映画にはまってしまうこと間違いなし。

ラフールは、助けた女性および大男 4 人とチェンナイ急行で同席することに。
大男 4 人は、タミル語しか話せず、ヒンディー語は分からない様子。

女性が言うには、この男たちに誘拐されたとのこと。
隙を見つけてラフールのスマホで電話しようとするが、見つかってスマホを列車の外に捨てられてしまう。「僕のスマホ、どうしてくれるんだ!」と抗議すると、、、


男たちが武器を持っていることを知った車掌も、男たちの武器を取り上げたものの、隙をつかれて列車の外へ投げ捨てられてしまう。

女性の名はミーナ。父親はコンバン村の無法者たちのボス。
父親が決めたタンガバリとの結婚がいやで逃げ出したが、父親の手下で、ミーナの従兄弟でもある 4 人の大男たちが追ってきたのだ。

「何とか助かる方法はないか」
ラフールが聞くと、ミーナは、
「コンバン村に着いて、父の前で私があなたの方を見たら、首を縦に振って」

やがて列車はコンバン村へ。
男の 1 人が、緊急停止用のチェーンを引く。
驚くラフールに向かってミーナが言う。
「どうってことないわ。いつものことよ」

列車が停止した場所が、これまた、すごい所!
南インドって、こんなところがあるんだ。


橋の上で大勢の村人が出迎えている。その中に、ミーナの父親も。

「何度逃げ出したら気が済むんだ!」と父親。
「タンガバリとは結婚したくないの。他に好きな人がいるの」
「そいつは誰だ」
「彼」

そう言ってラフールに目をやるミーナ。
ラフールは、タミル語が分からない。ミーナが父親に何を言っているのか分からないまま、ミーナに言われたとおり、首を縦に振る。

「ミーナは、この男が好きだ。こいつを連れて来い」
父親がそういうと、村人はラフールを担ぎ上げる。
村へ向かう車の列。やがて車の列は、コンバン村に到着。
ラフールは、ミーナの家族の歓迎を受ける。

コンバン村に向かう途中のラフールとミーナの会話や、コンバン村でのサブストーリーが面白いが、ここでは省略。ぜひ、映画を見て面白さを味わってほしい。単純な笑いだが、非常に面白い。

そうこうしている内に、ミーナの結婚相手だったタンガバリが現れる。
タンガバリは、ミーナの父親に向かって言う。
「俺がミーナと結婚することになっていたはずだ」


タンガバリは雲をつく大男。演じているのは、ニキティン・ディール。2008 年の名作「Johdaa Akbar」(ジョーダ・アクバル)で、リティク・ローシャン演じる主人公、ジャラルディン・ムハンマド・アクバルの敵役であるシャリフディン・フサインを好演した。ワルの大男をやらせたら、第一人者だ。

主要な登場人物がそろったところで、「起承転結」の「起」が終了。
さて、これからどうなるか。いよいよ物語が盛り上がってくる。
(続く)

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