2012年11月20日火曜日

今年見たインド映画

寒くなってきたことだし、そろそろ冬眠に入ろうと思っている。
そこで、今年翻訳したインド映画を思い返して、1 年の総括としたい。

■ 今年、頑張って字幕を日本語に翻訳したインド映画

原題 邦題 公開 評価 寸評
Dabangg ダバン 2010年 A メチャ面白いアクション娯楽映画。
DDLJ 勇者が花嫁を連れ帰る 1995年 S インド映画の最高峰。名作中の名作。これぞ青春! これぞ恋愛映画!
Jodhaa Akbar ジョーダ・アクバル 2008年 S 歴史物だが、愛と宗教が織り込まれた素晴らしい作品。
Bunty Aur Bubli バンティとバブリ 2005年 A とにかく楽しい詐欺師の映画。音楽とダンスが素晴らしい。
Black ブラック 2005年 S インドのヘレン・ケラー。脚本と演技力が素晴らしい。歌や踊りのないインド映画らしからぬインド映画。
Delhi Belly デリ ベリー 2010年 A 一般受けしないかもしれないが、大好きな映画の 1 つ。シナリオがしっかりしていて、細部まで作り込まれた作品。音楽も素晴らしい。ただし、18 禁(スラング、スゴ過ぎ)。オタク向け映画かも。
BaaBarr バーバル 2009年 B これも、一般受けしないかもしれないが、好きな映画の 1 つ。インドの裏社会を告発した映画かと思ったが、後半ただのギャング映画になってしまったのは残念。

どれも素晴らしい映画だったが、あえて評価するなら、俺的には下のようになる。

最優秀作品賞: Jodhaa Akbar (ジョーダ・アクバル)。
DDLJ、ブラックを僅差で抑えての勝利。


最優秀監督賞: Sanjay Leela Bhansali (サンジャイ・リーラ・バンサーリ)。
BLACK の映像美は素晴らしい。同監督の 2002年公開作品 Devdas (デーブダース)の映像も美しかったが、BLACK も期待どおりの美しさ。舞台となったシムラーへ行ってみたくなる。


最優秀脚本賞: DDLJ。
Delhi Belly の脚本も素晴らしいが、不朽の名作には勝てない。


最優秀主演男優賞: Amitabh Bachchan (アミタブ・バッチャン)
「バンティとバブリ」と「ブラック」、どちらもすごい存在感。「ブラック」は、アミタブ・バッチャンのために作られた作品だけあって秀逸。さすが、インド映画の神様だけのことはある。


最優秀主演女優賞: Rani Mukerji (ラニー・ムカルジー)
「バンティとバブリ」と「ブラック」、同じ人物とは思えない演技力。容姿やスタイルなど関係ない。演技力では他の追随を許さない。小柄で、可愛いいちゃ~可愛いい!


最優秀プロデューサ賞:  Aamir Khan (アーミル・カーン)
「デリ ベリー」で多くの信者を獲得!!  勝手に 1 人で楽しんでろ!
一昔前のロックンロール世代の映画?


最優秀音楽賞: DDLJ
マンドリンの旋律が耳に残ってどうしようもない。この映画の音楽は、どれも素晴らしい。


最優秀ダンス賞: Bunty Aur Bubli の Nach Baliye。
インド映画のダンス シーンは、どれも素晴らしい。


最優秀一発音楽賞: Dabangg (ダバン)の Munni Badnaam (ムンニ バドナム)。
インド映画には、本編とほとんど関係ないのに、友情出演か何かでチョロッと出てきて、人気をかっさらっていくすごい歌&ダンスがある。 Bunty Aur Bubli (バンティとバブリ)の Kajra Re (カジュラーレ)とどちらにすべえか迷ったが、微差で Munni に決定!


最優秀格好良い男優賞: Hrithik Roshan (リティク・ローシャン)
Jodhaa Akbar (ジョーダ・アクバル)のアクバル役。とにかく、格好良い。


最優秀美人女優賞: Aishwarya Rai (アイシュワリヤー・ラーイ)。
この人を上回る美人女優は、いつ出てくるのか?



では、冬眠に入る。
来年、暖かくなったら、また活動を開始するかも、、、、
それまでは、 どちら様も、お休みやす。

2012年11月12日月曜日

インド映画『3 idiots』 (3 人のバカ)

ニコニコに、日本語字幕付きのインド映画がいくつかアップされている。
その 1 つが、「3 idiots」 (3 人のバカ) だ。



従来の典型的なインド映画の範疇には入らないかもしれない(目くるめくようなダンスシーンがない)が、めちゃんこ共感できる青春&ミステリー映画だ。
俺的評価は A。 ニコニコの日本語字幕に対抗して、今、急遽、独自に翻訳中。

就職に有利だからと言って、良い大学に入って、それで幸せなのか?
お前は、本当は何をしたいのか?
自分の人生は、自分で決めようよ!

そんな青春映画だ。
加えて、突然失踪した親友を探すというミステリーがアレンジされた、素晴らしい映画だ。
これぞ、シナリオの勝利!
良いシナリオなくして良い映画なし!!

今なら、ニコニコで無料で見られる。
メチャ感動したら、DVD を買うべし。英語字幕の DVD でも良いじゃないか。
この映画を作った連中へのお布施と思って買うべし!

2012年11月8日木曜日

インド映画も変わったね

いつものカレー屋の親父との会話。

「最近のインド映画、短くなったね。 以前は 3 時間も 4 時間もあったのに、今は 2 時間前後だ」
「ダンスも、1 本の映画に 6 つも 7 つもあったのに、今はせいぜい 3 つだよ」
「インド映画のスターのギャラが高くなっているからかな?」
「かもしれないな。 制作費 ン億ルピーもかけたら、絶対にヒットさせなきゃいけないから、冒険できなくったんだな」
「インドだけでは元が取れないから、欧米でヒットさせなきゃならない。つまり、欧米でヒットする映画を作らないとね」

「それに、最近、新しいスターが出なくなったんじゃない?」
「確かに、出てくるのは映画関係者の身内ばかりだね」
「インドの映画界も、歌舞伎の家柄みたいなものかな?  中村家や尾上家でないとスターになれないとか」

で、今と昔、どちらが面白い?
やっぱり、昔のインド映画だ!

みな感じていると思う。 この数年で、インド映画は激変している。
ハリウッド映画の影響が著しい。それも、子供相手の幼稚なハリウッド映画だ。
インド映画が、ハリウッドの映画会社の安価なコンテンツになってしまわないことを祈りたい。

2012年10月31日水曜日

チャパティー

チャパティーが、8 割がた膨らむようになった。
「日清はダメよ」と、インド人シェフがぬかしやがった。
アタなんぞという全粒粉を使わなければ、チャパティーは膨らまないと、、、
アタ? 全粒粉? なんじゃい、それ?

苦節 6 カ月。
日清でもチャパティーは膨らむ!

粉なんか、どうでもいいいのだ。 要は、火加減と焼く時間だ。
薄力粉か強力粉かだって?
そんなこと知るか! 一番安いコナだ!!

俺、最近、何をやってんだか、、、、


どうだ、膨らんでんだろうが!

チャパティーって、膨らみゃ美味いなんてもんじゃないんだよな。
味は、膨らもうが膨らままいが、あまり変わらない。
小麦粉の甘さ(プラス、若干の塩味)で食うんだ。  これがウマい!

チャパティーは極めたような気がする。
油で揚げるのは面倒なので、プーリーは作る気なし。
カレー以外に、インド人は何を食ってるんだ。

インドの家庭ドラマをもう少し見なきゃならんようだ。
食事場面が頻繁に出てくる、そんな映画はないものか、、、
あるいは、『美味しんぼ』のような料理メインの映画、、、、

2012年10月29日月曜日

テルグ語映画 『Ashok』 (アショック)

ニコニコにインド映画がアップされている。

、、、、で、テルグ語映画 『Ashok』 (アショック)。
この映画のアップロードが合法か違法か?
そんなことは知らんが、見るのは自由。

これまで、ボリウッド映画しか見たことないが、テルグ語映画も見てみるものだ。
良かった。 メタメタ良かった。

日本の片隅でブームになったこともあるマイケル・ジャクソンもビックリの「Gola Gola」(ゴラゴラ)の映画だ。


ただし、ニコニコの日本語字幕は途中で切れている。残念。
しかし、途中でも大歓迎。 よくやった、アップロード主。
この映画が、面白そうな映画だということはよく分かった。

いずれ、完全日本語字幕で見たいものだ。

2012年10月24日水曜日

インドの戦争映画 『Border』 (ボーダー: 国境)

「Tango Charlie」(タンゴ・チャーリー)が良かったので、他のインドの戦争映画はどんなだろうと探してみた。

ニコニコに 1997 年公開の「Border」(ボーダー: 国境)がアップされていた。
何と、日本語字幕付きだ!!!!   アップ主、ありがとう!!!

【ニコニコ動画】【インド映画】Border 1/8【印・パ戦争】

1971 年の第 3 次印パ戦争を題材にした映画。
120 人ほどのインドの守備隊が、多数の戦車を従えて越境してきたパキスタンの大軍を迎えうつという内容。まるでアラモの砦。これぞ、インドで語り継がれているロンゲワラの戦いだ(詳細は下の動画を参照。さすが実写、映画より迫力ある)。


申しわけ程度に「人間はなぜ戦争をするのか」といったせりふもあるが、撮影にインド軍が全面的に協力しただけあって、テーマは勇気と愛国心。


ロンゲワラの戦いは、パキスタンの戦車部隊を壊滅させたインド空軍の勝利とされている。
この映画では陸軍に焦点を当て、敵の攻撃を一晩持ちこたえたことを賞賛しているが、たとえプロパガンダ映画であってもかまわない。
頼むから、映画は丁寧に作ってくれ!

この映画、まずもってシナリオがダメ、カメラもまるでダメ。
何もかもがあまりに不自然すぎてリアリティを感じることができず、まったく感情移入できなかった。我慢して最後まで見たが、何度も途中で挫折しそうになった。

先に「Tango Charlie」(タンゴ・チャーリー)を見てよかった。
もし「Border」(ボーダー: 国境)を先に見ていたら、やっぱりインドの戦争映画はダメだな、、、となっていたことだろう。

私の評価は、最低の E (見る価値なし)の 1 つ上の D。
DVD 買ってたら、ガッカリも良いところだ。

ニコニコには、日本語字幕付きのインド映画がいくつかアップされている。
当然、合法的なアップロードだと思うが、万一ということもある。
削除されないうちに、サッサと見てしまおう!!

2012年10月22日月曜日

インドの戦争映画 『Tango Charlie』 (タンゴ チャーリー)

2005 年公開の Tango Charlie (タンゴ チャーリー)を、英語字幕で見た。
インド映画には珍しい戦争モノだ。
インドではコケたものの、アメリカで中ヒットしたようだ。

映画は、YouTube で偶然見つけた
YouTube にアップされているインド映画の多くは、字幕など付いていない。
英語字幕がころがっていないかと探す。
Google に「Tango Charlie subtitle」を尋ねると、即座に答えが返ってきた。ほとんどのインド映画の英語字幕は、誰かがアップしてくれている。

事前に何の情報もなかったので、何も期待せずに見たが、良い意味で期待が裏切られた。
良かった!
評価は、堂々の B。

この映画は、勇気を賛美するような、カスみたいな映画ではない。
国のために命を捨てろと教えるような、愛国クソ映画ではない。
戦争の悲惨な負の側面を描いた映画だ。
兵士に人間らしさを求める映画だ。
命を大切にしろと教える映画だ。
こういう映画は好きだ。
いつかは翻訳してみたいインド映画が、1 つ増えてしまった。
戦争を知らない日本の若者は、もちろん年寄りも、こうした映画を積極的に見るべきだ!

戦争映画といっても、そこはインド映画。
ハリウッドの戦争映画のような、予算をふんだんに使った迫力ある戦闘シーンを期待してはいけない。

歌もあればダンスもあるが、まるで大したことない。どの曲も、まったく記憶に残らない。
それに、どこかで見たようなストーリー。
プラトーンに始まり、レマゲン鉄橋になって、ランボーで終わる。
いくつかのエピソードが、オムニバス形式でつながった映画だ。

テーマは、ヒューマニズム。
命令と良心のどちらに従うべきか!
飽き飽きしたテーマかもしれない。
しかし、人間にとって、これが永遠のテーマであることを忘れてはならない。

そして、インド映画らしく、サブテーマは「ピャール」(愛)だ。

以下、あらすじを紹介する。

カシミールの山岳地帯を、偵察ヘリが飛んでいる。
目的地に着くと、戦闘の跡。
そこで、雪の中で倒れている瀕死のインド軍兵士を救出する。
身分証から、兵士の名前がタルン・チャウハン、コードネーム  タンゴ・チャーリーとわかる。
兵士は、一冊の日記帳を所持していた。
ヘリの搭乗員は、その日記を読み始める。
そこには、タンゴ・チャーリーが、戦争で経験したことが書かれていた。

タンゴ・チャーリーが最初に赴いたのは、インドの最も東にあるマニプール州。
テロリスト掃討作戦を展開するムハンマド・アリ(コードネーム マイク・アルファ)の部隊に配属される。

マニープール州は、ミャンマー(旧ビルマ)と接している。州都は、インパール。第二次世界大戦で、日本軍が食料も補給もなく無謀な作戦を決行し、多くの兵士を病死あるいは餓死させた、あのインパールだ。

始めてジャングルを見たタンゴ・チャーリーは美しい自然に感動するが、そんな感動はたちどころに失せてしまう。
ジャングルでは、敵がどんな罠をしかけているか、常に注意しなければならない。

そこで、タンゴ・チャーリーは最初の恐ろしい体験をする。

敵に捕らえられた兵士の一人が、瀕死の重症を負わされ、木に縛られて苦しんでいる。
敵は物陰に身を隠し、その兵士を助けに来れば、狙い撃ちしようと待ち伏せている。
それを、木の影から見ているタンゴ・チャーリー。
ただ、味方の兵士の寿命が尽きるのを見ているしかなかった。

やがて兵士の命が切れる。
それでも、じっと動かない。
もう、敵は逃げただろう、、、そう思わせるのが狙いだ。
案の定、敵が物陰から姿を表す。
戦闘はインド軍の勝利に終わったが、両手をあげて喜べるような勝利ではなかった。

その後、タンゴ・チャーリーは自宅に戻る。
そこで、恋人ラッチーに出会う。
インド映画らしく、もちろん 2 人は恋に落ちる。

ラッチーとの結婚話しで、インドの結婚における持参金問題にも触れられている。
この辺り、少々冗長な気がしたが、ラッチーとの結婚話しは、兵士も生身の人間だという主張につながっている。
こうした展開も、ストーリー上、決して無駄ではないと思う。
ただし、戦争映画に戦闘シーンのみを期待している人は、この進行は耐えられないかもしれない。

そうしているうちに、軍から命令書が届き、タンゴ・チャーリーは次の任務に赴く。
要人とその家族をパキスタンのハイデラバードに護送する任務だ。
しかし、テロリストが道路脇に仕掛けた爆弾によって、何の罪もない女性や子供が犠牲になってしまう。
その戦闘で、タンゴ・チャーリーは逃げた敵の一人を追いかけて捕まえる。
敵は女だ(映画見てれば予想できる!)。
古参兵が、その女兵士をレイプしようとするのを、タンゴ・チャリーは止める。
隙を見て、敵の女兵士は銃で自殺してしまう。
古参兵ともみ合っているうちに、タンゴ・チャーリーは、ナイフで相手を殺してしまう。
そこへ、隊長のマイク・アルファが登場。
「覚悟はできています。どんな罰でも受けます」とタンゴ・チャーリー。
「お前と同じ状況なら、私も同じことをしただろう」とマイク・アルファ。(映画見てれば、このセリフも予想できる。インド映画はシンプルだ。決して予想を裏切らない)

次は、タンゴ・チャーリーたちが、グジャラート州で発生した暴動の鎮圧に出向いたときの話しだ。
兵士たちは、暴徒に発砲し、無実の市民を多数殺してしまう。
タンゴ・チャーリーも、発砲してくる敵を狙うが、群衆の中の別の 1 人に当たってしまう。
無実の市民を殺してしまったタンゴ・チャーリーは、その家族のもとに謝りに訪れる。
しかし、家族は許さない。
タンゴ・チャーリーは袋叩きにされてしまう。
そこへ、マイク・アルファが助けに来る。そして、人々に向かって言う。
「我々が罪もない人々を殺したことは認める。
しかし、それはお前たちの責任だ。
俺は、お前たちのようなバカを見たことがない。
こいつは、心優しい。だから、お前たちに謝りに来たんだ」

次のエピソードは、タンゴ・チャーリーのエピソードではなく、マイク・アルファーがタンゴ・チャリーに語って聞かせた話しだ。

マイク・アルファーは、西ベンガルのナンディプルの地主の警護に赴く。
敵は、暴力革命を目指す過激派ゲリラだ。
ここで、マイク・アルファーは、地主の娘に出会う。
間もなく娘の結婚式。

しかし、ここいらのシーンも冗長だなあ~~~~。
先へ先へと焦らないところが、インド映画なんだよな。

マイク・アルファーは、地主に、カルカッタに逃げることを薦めるが、地主はそれを拒否。
娘の結婚式が行われている最中に、敵が攻めてくる。
敵の「先生」と呼ばれる思想的リーダーを倒したものの、マイク・アルファーと地主の娘のみが脱出に成功。ジャングルに逃げ込む。
敵の山狩りが始まる。
逃げるマイクと姫。

恋に落ちる 2 人。
当然、歌が入る。
さすが、インド映画!!!
そう、こなくっちゃ!

しかし、敵との交戦になり、姫は撃たれて死んでしまう。
これで、マイク・アルファの思い出話しは終わり。

次に、タンゴ・チャーリーのもとに、ラッチーが他の男と結婚するという手紙が届く。
急いで帰ると、それはラッチーのウソ。
タンゴがどれだけ愛しているかを確かめたのだと言う。
そして、2 人は正式に婚約する。

ある日、ラッチーはタンゴの荷物から日記を盗みだして、それを読む。
書き綴ってある悲惨な体験。
「色々な経験をしたのね」
「今日、初めて、あなたの思いの深さがわかった」
「私、あなたの愛に相応しいかしら?」

そして、部隊はカシミールへ。
カルギル紛争が勃発したと言っているので、1999 年か?
部隊は、橋の守備を命じられる。
その橋は、カルギルへの唯一のルートで、橋が通れなくなると前線の部隊への補給が途絶える。

橋を爆破しようとするパキスタン系のゲリラ。
守りぬこうとするインド軍。
まるで、ドイツ軍と連合軍が死闘を繰り広げたレマゲン鉄橋だ。
橋の下での戦いは、パクリと言われてもしょうがない。
いいさ、それがインド映画だ!!


上の動画が、レマゲン鉄橋。下が、タンゴ・チャーリーの 1 シーンだ。
な、スケールは小さいけど、雰囲気は似てるだろ?


残念ながら、タンゴ・チャーリーの戦闘シーンは、レマゲン鉄橋ほどの迫力はない。
ここで、激戦が繰り広げられ、マイク・アルファーは瀕死の重傷を負う。
襲ってきた敵は逃げたが、タンゴ・チャーリーは敵を追跡し、敵のキャンプを突き止める。

敵の数は約 50 人。こちらは、タンゴ・チャーリーただ 1 人。
こうなれば、ランボーに変身するしかない。

と、まあ、こんな映画だ。
見て損はないと思う。
ただし、古き良き時代のハリウッドの戦争映画を期待しないこと。

2012年10月19日金曜日

Kareena Kapoor (カリーナ・カプール)

Kareena Kapoor (カリーナ・カプール)、インドの女優さんだ。
2011 年公開の Bodyguard (ボディーガード)、映画はイマイチだったが、カリーナの熱演が光った。


この女優さん、以前から気になってしょうがない。
最近翻訳した Baabarr (バーバル)には、次のような会話が出てくる。

子分 「ボスの新しい服です。 今、届きました」
バーバル (服を自分に当てて) 「どうだい、兄貴」
ナワーズ 「俺の弟が、まるでヒーローだ」
子分 「バーバルの映画を作りましょうか」
ナワーズ 「そうだな」
子分 「バーバルは、カリーナ・カプールが好きです。 彼女をヒロインにしましょう」

2010 年公開の Dabbang (ダバン)の中で歌われていたスーパー ヒット ソング Munni Badnaam (ムンニ バドナム: ムンニは悪名高い)には、次のような歌詞が出てくる(下の動画では 1 分 20 秒あたり)。

Shilpa sa figure Bebo si adaa, Bebo si adaa
しるぱ さ ふぃがる べぼ し あだー べぼ し あだー
A figure like that of Shilpa, a style like that of Bebo
シルパの容姿、ベボのスタイル

 
ベボ (Bebo) とは、カリーナ・カプールのニックネーム。

他の映画の中に名前が出てくるなど、尋常じゃない。
今年は、もう無理として、来年は何としてもカリーナの主演映画を訳してみようと思う。
2008 年公開の「Jab We Met」(ジャブ ウィ メット: 2 人の出会い) など面白そうだが、どうだろう。 今なら、リクエスト受付中!

2012年10月18日木曜日

インド映画はインド音楽から

最近は、仕事が忙しい。
インド音楽を BGM にして、仕事に励んでいる。

インド音楽の大半は、映画の中で使用された音楽だ。

1.FM の Bombay Beats IndiaBollywood Ondemand を聞いていて、気に入った曲があれば、radioreloaded.com からダウンロードする。便利な世の中になったものだ。

インド音楽からインド映画に入る人は多い。
自分もその 1 人だ。
聞いていて気になる曲があれば、その曲が流れている映画も気になる。

インド音楽のほとんどは映画のプロモーションに使用されるので、どの映画で使われている曲かはすぐにわかる。Google 先生に聞くと一発だ。

映画のタイトルがわかれば、IMDb (Indian Movie Database: インド映画データベース) にアクセスだ!!
英語サイトなので、若干の英語力は必要だが、ここにアクセスすると、その映画の大抵のことはわかる。見た人の感想も読めるし、世間の評判もわかる。

または、YouTube などで、その映画の切れ端が落ちていないか探す。
映画の切れ端を見て、これは面白そうだ! となったら、インド人の DVD 屋へ走るか、ネットで注文する。

たいていのインド映画には日本語字幕など付いていない。
頑張って、英語字幕で見よう!
本当に面白い映画は、言葉などわからなくても面白さが伝わってくるものだ。

シーンがきれいだとか、アクションがすごいとか、迫真の演技など、、、言葉はいらない。
映画の中のダンスの素晴らしさもインド映画の魅力だが、これも言葉はいらない。

この映画 メチャ面白い!  何が何でも、何を話しているか知りたい、、、となれば、自力で頑張って日本語に翻訳することになる。 ここまで来ると、インド映画中毒かもしれない。

インド映画中毒の良い所は、幸せな気分になれること。
これに尽きる。

貧乏でもいいじゃないか。
インド映画を見て、幸せになろう!!!

2012年10月12日金曜日

Baabarr -- 日本語字幕を公開

「Baabarr (バーバル)」の日本語字幕の校正を兼ねて、通しで全編を見なおした。
面白い映画だ。 ギャング映画として十分に楽しめる。
やはり、日本語字幕の力は絶大で、英語字幕で見るよりはるかに面白い!!

ストーリーが完全に頭に入った状態で見たので、急に歌やダンスが出てきても、驚きはしなかった。むしろ、それを楽しむことができた。
インド映画は、歌舞伎がそうであるように、ストーリーを熟知した上で見るべきものかもしれない。歌や踊りが出てくると、インド人の観客は待ってましたとばかりに身を乗り出す。

忙しい日本人は、同じ映画を何度も繰り返し見ることが少なくなった。しかし、字幕の翻訳などを始めると、嫌でも繰り返し見るハメになる。他の人が気が付かない何かが発見できているはずだ。

今回は、映画の中の歌や踊りを十分に楽しむことができた。初回とは大きな差だ。
最初の印象とは異なり、BaaBarr もなかなか面白いじゃないか、、、、今は、そう思う。

ぜひ、これを読んでいる人にも、日本語字幕で Baabarr を見て欲しい。
今なら、それが可能なので、興味ある人は下の手順を試してほしい。

Baabarr (バーバル)を日本語字幕付きで見るには


動画を字幕付きで見るには、まず AVI 形式の動画ファイルと、SRT 形式の字幕ファイルを用意する。それらのファイルを、同じフォルダに、同じ名前で放り込む。それを Windows Media Player で再生すれば、字幕付きで動画が再生される。

動画を AVI 形式にしておくと、後で Aegisub を使って字幕を編集するときに便利だ。
SRT ファイルは、単純なテキスト ファイルなので、翻訳ミスや誤字は「メモ帳」などのテキスト エディタで簡単に修正できるが、字幕の表示タイミングを修正しなければならない場合は、Aegisub の力を借りる必要がある。Aegisub でファイルを保存すると、通常は ASS 形式で保存されるが、ファイル拡張子(.srt)を付けてファイル名を指定することにより、SRT 形式で保存することもできる。チョイとした裏ワザだ。

Baabarr の動画だが、フルムービーが YouTube で公開されている。
アップロードされてから 1 年半以上もたつので、著作権者自身がアップロードしたか、著作権者が了解しているに違いない。ダウンロードしても、明らかに合法だ!!

こいつを Craving Explorer を使って、AVI 形式 で自分のハードディスクにコピーする。
ファイル名は Baabarr.avi とでもしておこう。

さて、問題は日本語字幕ファイルだが、思い切って公開することにした。
Google Drive からダウンロードできる状態にしておいたので、遠慮なくダウンロードしてほしい。

ダウンロードした字幕を、AVI 形式の動画が入っているフォルダにコピーして、Media Player で再生すれば、めでたし、めでたし。 Baabarr が日本語字幕付きで見られる!!!!

見て気に入ったら、映画の制作費をカンパするつもりで、インド映画の DVD の 1 枚も購入しよう!!

2012年9月27日木曜日

インド映画『Baabarr』(バーバル) -- その 3

「Baabarr」(バーバル)の字幕の翻訳がザッと終わって思うこと。
ただ一言。 残念!

タイトルが表示されるまでの最初の 20 分は、素晴らしい出来栄えだ。
特に、12 歳の少年バーバルが、初めて人を撃ち殺すシーンは衝撃的だ。
これから、どんな物語が展開するのかとワクワクする。

しかし、その後は、大人になったバーバルと、宿敵タブレーツとの抗争ばかり。
何のことはない、ごく普通のギャング映画だ。

普通のギャング映画なら、「仁義なき戦い」のほうが 10 倍面白い。

終わりの方に、政治家がチョロッと出てきたり、正当防衛を偽装して犯人を銃殺してしまうという警察の不法行為(フェイク エンカウンター)に対する問題提起がある。しかし、この映画のテーマだったはずの「貧困と犯罪」や「警察や政治家の腐敗」に対する掘り下げが、ほとんどなかったのは残念だ。

ギャングの抗争はそれなりに面白いが、焦点がボケた映画になってしまったのは否めない。
現時点では、S、A、B、C、D、E の 6 段階評価で B 。
大外れではないが、期待はずれだ。

インド映画は、何度も繰り返し見て楽しめる映画が多いが、「Baabarr」(バーバル)は、一度見たら十分という気がする。

最初に、このような映画評を読んでから見れば、印象も変わっていたように思う。
過剰な期待は禁物ということだ。

2012年9月24日月曜日

インド映画『Baabarr』(バーバル) -- その 2

12 歳で人を殺してしまったバーバルは裏社会の道を歩き始め、10 年後にはウッタル プラディッシュ州を代表するギャングに成長する。

映画が始まって、ここまで 20 分。ようやく映画のタイトルが表示される。


この映画の主な登場人物

★ バーバルの味方 ★

バーバル: この映画の主人公。6 人兄弟の末っ子。
怖いもの知らずの激情型。
金持ちに電話をかけ、用心棒代をせしめる。拒否すれば、誰であろうが容赦なく殺してしまう。極めて凶暴な性格。
貧困が生み出した犯罪者として描かれている。
ナワーズ: バーバルの兄。多分、5 男だと思う(自信なし)。
一家のボスとして、皆に慕われている。
バーバルよりも冷静沈着だが、タブレーツによるバーバル暗殺未遂事件以降、タブレーツとの仁義なき抗争を指導する。怒りに任せて、タブレーツの仲間や、バーバルの暗殺未遂に加担した連中を殺しまくる。
マムー: 地域の顔役。警察とも通じている。
特に、チャトルバティ警部とはズブスブの関係。
ジアー: マムーの姪。バーバルの幼馴染で、バーバルの愛人。
アフリーン: バーバルの幼馴染。バーバルが警察に勾留されているときに、バーバルと結婚する。カルカッタに住んでいて、警察に追われたバーバルをかくまう。
(バーバルの妻なのに、なぜカルカッタに住んでいる?
まさか、俺が何か誤解している?)

★ バーバルの敵 ★

タブレーツ: バーバルに敵対するギャング。バーバルと、血で血を洗う抗争を繰り広げる。
バーバル同様、どうしようもないワルで暴力しか知らない。

★ 警 察 ★

ディベジー: 銃撃戦のスペシャリスト。バーバルの兄の 1 人バッリーを銃撃戦で殺害して、警視に昇進した。
この映画で唯一、正義感にあふれた人物。
バーバルとタブレーツを、刑務所か地獄に送ることが自分の使命だと考えている。
チャトルバディー: マムーをはじめ、地域の犯罪組織と通じる悪徳警官。ギャングに銃弾を横流しして金を得るなど、こいつもワルだ。
人を平気で裏切る。

バーバルと、その宿敵タブレーツとの抗争を軸に、物語が展開する。

(続く)


2012年9月23日日曜日

インド映画『Baabarr』(バーバル) -- その 1

少し涼しくなってよかった。
Baabarr (バーバル)の字幕の翻訳を開始した。

映画は、次のナレーションから始まる。

急速に進歩する世界の中に、もう 1 つの世界がある!
犯罪の世界

そこでは、銃が合理的で自然な選択だ
我々の社会が危惧する世界...

...汚職がはびこり...
...政治家は人々を搾取する...
...そして正直者が虐げられる!
不幸なことだが 現実だ !!!

これが、この映画のテーマだ。
そして、別のナレーションが続く。

インド最大の州、ウッタルプラデーシュ
インドで最も人口が多いこの州では、何もかもが過剰だ
ここには 多数の金持ちと、多数の貧乏人がいる
ここには 多数の善人と、多数の悪人がいる
この州では白昼の犯罪など日常茶飯
ここにある唯一のルール、それは弱肉強食だ

政治は ここで生まれた

ここの どの街にも特色がある
工場の街、革製品の街、靴の街、
財布の街 食器の街 子供の玩具の街
そして大人の銃も
素人やプロの犯罪者、強盗、殺し屋、
盗賊などの銃の匂いを注意深く嗅いでみると良い
この街の匂いがすることだろう

そんな街の 1 つがアマンガンジ
キンマの葉やタバコのヤニ、壁に撒き散らされた小便
それらが、ここの文化を物語っている
どの家にも、椅子より多くの銃がある
弾が多いほど人は凶暴になる

120 万の票田
どの政党も、ここに関わりたいとは思わない

誰もが幸せだ
すべてが組織だと誰もが思っている
男は自分の組織を作る
それは男にとって至福のとき
この街の工場が作るのは、製品ではなく、犯罪者である

バーバルは、ウッタル・プラデーシュ州アマンガンジの貧民街で生まれ育った。
6 人兄弟の末っ子だ。
家業は肉屋。
インドでは、肉屋は汚らわしい職業とされており、最下層のダリット(不可触民)に位置付けられる。宗教はヒンズー教ではなく、イスラム教だ。


長男のサルフラーズがつまらない喧嘩で人を殺してしまい、その後、バーバルの兄たちは銃の密造を始める。銃は、12 歳のバーバルにとって、身近な存在となった。

そんなある日、子供同士の喧嘩で侮辱されたバーバルは、レンガで相手の頭を殴って怪我をさせてしまう。
怒鳴りこんでくる父親。バーバルをかばう他の兄弟。
喧嘩は、地元の顔役マムーが仲裁することになるが、少し目を離したスキに銃が発砲される。
再び乱闘が始まり、バーバルの兄に銃口が向けられたそのとき、1 発の銃声がして相手が倒れた。
銃を撃ったのは 12 歳のバーバルだった。


すまない。飲みながら書いてたら、酔いがまわってきた。
続きは後日。

2012年9月18日火曜日

インド映画『Baabarr』(バーバル) -- 予告

1 週間以上、ほとんど何もしなかった。

本は少し読んだ、仕事も少しした、
しかし、映画も見ず、テレビもほとんど見ず、
あまりの残暑の厳しさに、ひたすらのびていた。

インドはもっと暑いのだろうか?
そんなことを思いながら。

今日、久々に 2009年公開の「Baabarr」(バーバル)を見た。英語字幕だ。
以前にも見たような気がしていたが、今回見たら印象がまったく違った。


どういう訳か、この映画に歌や踊りは存在しないと思い込んでいた。
ありました。歌も踊りもありました。

日本人の多くは、インド映画の歌と踊りが気に入らないようだ。
ストーリーだけを追いかけたい人が多いようだ。
歌や踊りが入ると、集中力が途切れて嫌なんだそうだ。

歌や踊りがいいんじゃないか、
それがインド映画の魅力なんだ。
これまで、そう思ってきた。

しかし、「Baabarr」(バーバル)を見て、その思いが変わった。
この映画に踊りはいらない。
完全に邪魔だ。
この映画の踊りのシーンは、そういう気分にさせる。

この映画は、貧民街で育った子供がギャングに成長し、警察や政治家に利用され、最後には卑怯な手段で殺されてしまうという映画だ。インド社会の暗部を描き出した社会派の映画だ。
仁義なき戦いを彷彿とさせるような残酷なシーンが続く。

 
すっかりストーリーに夢中になっているところに、歌と踊りが入る。


結婚式のアトラクションの場面だから、歌と踊りが入ってもいいんだろうけど、集中が途切れるなんてものじゃない。
深刻なシーンの間のこの 4 分。  耐えられない!
早く話しを進めてくれ!!!!!
う~む、やはり日本人とインド人の間には、大きな感覚の違いがあるようだ。

歌と踊りさえなければ、ムチャ秀作なのに、、、そう思う。

人を平気で殺しまくるシーンが連続するので、好き嫌いが別れる映画だろう。
以前から訳してみたいと思っていた映画の 1 つだ。
これから涼しくなるだろうから、そろそろ翻訳でも再開するか。

2012年9月6日木曜日

インド映画『Delhi Belly』(デリ ベリー) -- その 6

相変わらず、Delhi Belly ?
そう、今も Delhi Belly。

どこがそんなに面白い?
あらゆるカット、あらゆるシーン、あらゆる台詞、すべてが面白い!

3 人のルーム メイトの中でも、特にニティンが面白い。

家主のマニッシュの浮気現場をカメラに収めて、それをネタに脅して家賃をタダにしてもらおうとするニティン。以下は、タシとアループに、マニッシュの浮気の写真を見せているところ。


How'd you get these?
(こんなもの、どうやって手に入れた)

No, that's the wrong question. 
(質問が違う)
The right question is, are we going to pay rent anymore?
(聞くならこうだ。これ以上、家賃を払うのか?)
And the answer is?
(そして、答えは?)
No. No more rent. No more fucking rent.
(なしだ。 家賃はなし。これ以上、家賃はなしだ)

What are you talking about?
(何を言ってる?)

I'm talking about a small business transaction with our landlord.
(家主との、ちょっとした交渉の話しだ)
He gives us some money and these pictures don't get to his wife.
(彼は我々に少しばかり払う。そして、この写真が奥さんに渡ることはない)

You're going to blackmail him?
(彼を脅迫するのか?)

It's not blackmail. It's a sign, from God.
(脅迫じゃない。これは神のお告げだ)

Oh, you're going to blackmail him.
(やはり脅迫するつもりだ)
We're living with a criminal. lt's Nitin Sobhraj.
(我々は犯罪者と暮らしている。その名は、ニティン・ソーブラージ)

I'm just the higher moral authority in Manish's life -
(俺は、マニッシュに道徳を教えてやるだけだ)

You're the higher moral authority in his life?
(お前が道徳を教えるだと?)

Yes, yes, and I'm asking him to mend his evil ways -
(そのとおり。俺は彼を悪の道から救い出す)
- l'm not a benevolent god.
(しかし、俺は情け深い神ではない)

Don't tell me anymore, right -
(それ以上、言うな。いいか-)
- because when the cops come to get you ,
(警察がお前を捕まえに来ても、)
I don't want to be dragged in as an accessory.
(俺は共犯として巻き込まれるのは嫌だからな)

An accessory? Listen to him using big words.
(共犯だと? 聞いたか、何を大げさな)
An earring is an accessory, you choot -
(何が共犯だ、バカめが)
注: ここでは「共犯」と訳しているが、英語では「アクセサリー」と言っている。このため、この台詞を直訳すると「アクセサリーとは、イヤリングだ。バカめが」となる。 洒落た面白い台詞の 1 つだ。
- listen I've been in this business for two years, nobody gets -
(いいか、俺はこの仕事を 2 年間やっているが、捕まったことはない)

I'm sorry, you've been in this business for two years?
(何だって、お前、こんなことを 2 年もやっているのか?)

落ちがついたところで、ニティンのテーマ ソング「Bedardi Raja」(ベーダルディー ラージャ)。


デリーのゴミゴミした、雑然とした街の様子が浮かんでくるような名曲だ。しかし、歌詞の英訳を探してみたが、見つからない。こんな良い曲の歌詞の英訳が見つからないのは、極めて珍しい。意図的に公開していないのだろうか? これでは、何を歌っているのか、分からんではないか!

2012年8月28日火曜日

インド映画『Delhi Belly』(デリ ベリー) -- その 5

またまた「Delhi Belly」から。今回は、いよいよニティンの登場。
カメラマンのニティン、面白すぎる。
少しくらい悪いことをしても、それがどうした?  得をして、楽しく生きようぜ。
そんなニティンの台詞に、こんなのがある。

ダイヤの密輸組織から追われることになった 3 人。そもそものきっかけは、タシの婚約者ソニヤが運び屋のウラジミールから荷物を預かったこと。事件に巻き込まれた 3 人が乗っているのは、タシがソニヤの父親から貰った車だ。そこで、ニティンが言う。

And I know this is your dowry, man,
(こいつは、あの娘の嫁入り道具だよな、お前)
but this is an ugly fucking ugly car, okay -
(しかし、これは最低最悪のクソ車だ、いいか)
when a donkey fucks a rickshaw, this is what you get.
(これは、ロバが力車と一発やって貰ったものだ)

多くの Delhi Belly ファンお気に入りの台詞だ。
ちなみに、ロバが引く rickshaw (リクショウ: 力車)とは下のような乗り物(語源は、日本語の「人力車」)。


タシとソニヤの結婚について、アループはタシに、こんなことを言っている。

I'm getting married.
(俺は結婚する)
Yeah, we know that.
(ああ、知ってる)
No, getting married next month.
(いや、結婚は来月だ)
Really, I thought this wasn't happening till like next year.
(本当か、来年まではしないと思ってた)
Yeah, but then I thought, what difference? Sooner the better.
(ああ、しかし大した違いはないだろう? 早い方が良い)
Right up till the moment they chop his head off, the goat thinks he's going for a walk in the park.
(ヤギは首を切り落とされるその時まで、公園に散歩に行くと思っているものだぜ)
 
名言というか、何というか、最近、気の利いた台詞の映画が少なくなったように思う。
そういう意味でも、この Delhi Belly は面白い。
 

2012年8月17日金曜日

インド映画『Delhi Belly』(デリ ベリー) -- その 4

今回も Delhi Belly。
この映画、何度見ても面白い。すっかり、はまってしまった。

恋人のリツーに約束をすっぽかれたアループが翌日リツーの家を訪ねると、見知らぬ男がいる。

Ritu's friends are my friends.
(リツーの友だちは、俺の友だちだ)
Arup, this is Vivek -
(アループ、この人はビベック)
- he's a computer engineer in Canada.
(カナダのコンピュータ エンジニア)
Hey, nice to meet you , dude -
(よろしくな)
- I hope you're coming for the wedding.
(ぜひ、結婚式に来てくれ)
Wedding?
(結婚式だって?)
He doesn't know?
(知らないのか?)
l was just about to tell him -
(言おうとしていたところなの)
- he's a cartoonist.
(彼は漫画家)
A cartoonist?
(君は漫画家か?)
Like - like Chacha Choudhry?
(たとえば、チャチャ チョーダリーのような?)
Yeah, like Chacha Choudhry.
(そう、チャチャ チョーダリーのような)

チャチャ チョーダリーは、インドを代表する漫画。
知らないのは日本人だけ?

ビベックとの別れ際、握手をしようとする手を引っ込めてビベックが言う。

- old jungle saying -
(古くからのジャングルの教え)
- phantom fist is quicker than the eye.
(ファントムの拳は目よりも速い)

Old jungle saying」は、アメリカのコミック「The Phantom」に出てくる言葉。
アメリカのほか、インド、ブラジル、オーストラリアあたりで人気の漫画らしい。
知る人ぞ知る、知らない人は何が面白いのか分からない。
知って面白さを味わおう。

When were you planning to tell me?
(いつ、言うつもりだったんだ?)
Arup, it doesn't matter -
(アループ、そんなことどうでもいい)
- in a month, I'm moving to Canada.
(1 カ月もしたら、私、カナダに行くの)
You should go now, Arup. Please.
(だから、もう帰って、アループ、お願い)
Good luck with your cartooning.
(漫画、頑張ってね)

言いたいことも言えないアループ。以下は、アループの空想の世界。
アループはディスコ ファイターとなって、2 人の結婚式に乗り込む。

The bride and groom may now exchange garlands.
(新郎と新婦は花輪の交換を)
Stop!
(待った!)
This marriage cannot happen!
(この結婚は認められない!)
This girl has given me blowjob.
(その女は、私の一物をしゃぶった)
And because I am 21 st century man, I have given her oral pleasure also.
(私も 21 世紀の人間だから、彼女の口に快楽を与えた)

やったぜ、アループ!
こんなこと、結婚式で言えたら、どれだけスカッとすることか。
ここで流れるのが「Jaa Chudail」。 Chudail は本来「魔女」という意味だが、スラングで bitch の意味にもなるようだ。ここでは、「淫乱め、地獄へ落ちろ」と歌っている。


しかし、現実のアループは頭をそって坊主になり、失恋の痛みをじっとこらえるのであった。

  
頑張れ、アループ。耐えるんだ!!