2015年12月25日金曜日

どれも良かった、今年のインド映画

今年の自分なりの最高の映画は Haider。
しかし、鑑賞会の反応はほとんどなし(日本人もインド人も)。
まあ、いいさ。 Delhi Belly もそうだったじゃないか。


今年見たインド映画は、どれも良かった。
まずは、PK。


次に Ai。


そして Haider。


今は Bajrangi Bhaijaan と格闘中。


どれも素晴らしい映画だけど、自分には Haider が強烈すぎた。

本当に考えさせられた。
カシミールって、いったい、どういうところなんだ。
イスラムもヒンズーも、いがみ合う必要もないのに、なぜ不必要に敵対しているんだ。
今の世界も、テロだの何だの、普通に暮らす人々には関係のないことじゃないか。
隣の人が何教でも関係ないじゃない!

Bajrangi Bhaijaan も同じようなテーマを扱っている。
インドは今の世界の縮図かもしれない。
宗教の違いを克服する鍵は、インドにあるように思える。
そんなことを感じられたのが、今年の収穫。

Bajrangi Bhaijaan、翻訳を終えたかったけど、もう無理みたい。
でも、絶対に面白い映画だ。

インド映画界がどんな映画を作ってくれるのか、来年も楽しみだ。

2015年12月13日日曜日

Bajrangi Bhaijaan -- その 2

話すことができないパキスタンの少女がインドに 1 人取り残され、バジェランギと呼ばれている男(サルマン・カーン)に出会う。バジェランギは猿の姿をした神様バジェラングバリの信奉者。バジェランギは少女を哀れに思い、その子を連れてバスに乗る。
パスに同乗していた乗客とも親しくなり、バジェランギは自分のことを語り始める。

バジェランギの本名はパワン。
厳格な父親の薫陶を受けて育つが、勉強は苦手で、試験には何度も不合格。
業を煮やした父親はパワンに言う。
「デリーへ行け」
お前のような役立たずでも、都会では仕事があるから、自分の友人がいるデリーへ行って仕事に就けというのだ。その父親は、パワンが試験に合格したと聞いて、驚きすぎてこの世を去る。パワンは、父に言われたとおり、父の友人ダヤナンジーを頼ってデリーに行く。

デリーで知り合ったのが、ダヤナンジーの娘で教師のラシカ(カリーナ・カプール)。
インド映画では、一瞬で恋に落ちる。この映画もそう。曲は「Tu Chahiye」(あなたが欲しい)。


ダヤナンジーは娘との結婚の条件として、「苦労して働いて稼いだ金で家を買え」と言う。
そして現在、家を買う準備を進めているのだ。

そんな話しをしているうちに、バスはデリーに到着。
バジェランギは、シャヒダを連れてダヤナンジーの家に戻ってくる。

(続く)

Bajrangi Bhaijaan -- その 1

Haider (ハイデル)は重苦しい、陰鬱な、インド映画らしくない映画だった。
歌と踊りはあるけど、ハムレットでは父王殺害の状況とそっくりの筋立ての芝居をする場面、Haider では歌と踊りで表現している。ストーリー的にも重要な場面で、気楽に楽しむ雰囲気ではない。皆でワイワイ言いながら見るのではなく、誰にも邪魔されずに 1 人で見たい映画だ。

それに比べると、Bajrangi Bhaijaan (バジェランギ・バイジャン)はインド映画らしい映画だ。
国がインドとパキスタンに分かれてしまっている問題や、ヒンズー教徒とイスラム教徒の問題、カーストの問題、ベジタリアンと非ベジタリアンの問題など、インドが抱える様々な問題が描かれているが、映画はコミカルで面白く、インド映画特有の歌と踊りも十分に楽しめる。

楽しい映画だと、字幕の翻訳がどんどん進む。あっと言う間に、40 %近く完成した。
時間にすると、上映開始から 55 分を少し過ぎたところ。

ここまでのストーリーを紹介すると、、、

映画が始まる。クリケットの中継.を村人が集まって見ている。
パキスタンのスルタンプール村。
パキスタンを勝利に導いたのは、パキスタンの英雄シャヒッド・アフリディ
その中継に熱中している妊婦。シャヒッドの大ファンで、生まれた娘をシャヒダと名付ける。

この子が、とんでもなくかわいい。その上、演技がメチャメチャうまい。
どこで見つけてきたんだ、こんなすごい子役。


見たらわかると思うけど、この格好はイスラム教。
パキスタンはイスラム教が当たり前だけど、インドは複雑。

シャヒダは 6 歳になっても話せない。インドのニザームッディーン・アウリヤー廟に連れて行けば話せるようになると聞いた母親は、シャヒダをインドに連れて行く。
帰りの夜行列車が国境の手前で突然停車。シャヒダは子ヤギを見つけ、母親が眠っているすきに列車を降りてしまう。
列車が動き出す。
母親はパキスタンとの国境を越えてしまう。
口が利けないのに、インドに 1 人で取り残されてしまったシャヒダ。

パキスタンに戻って泣き崩れる母親。
村人の 1 人が言う。
「インドにも神様がいる。心配ない。大丈夫だ」

シャヒダの前に現れたのは、この映画の主人公、サルマン・カーン演じるバジェランギ。


曲は「Selfie Le Le Re」(自撮りをしよう)。
猿の姿をした神様バジェラングバリ(ハヌマーン)を信奉している。
本名はパワンだが、バジェラングバリにあやかって、皆は彼をバジェランギと呼ぶ。
バカ正直で、自分を犠牲にしてでも困っている人を助けるタイプの男。
シャヒダはそんなパワンを自分を助けてくれる神様と思ったのか、彼の後を付いていく。
自分の後を付いてくるシャヒダを哀れに思ったパワンは、シャヒダを一緒に連れて行くことにする。

シャヒダと一緒にバスに乗ったパワン。
耳は聞こえるが話せないシャヒダに向かって、「俺が町の名前を言うから、お前の家がある町だったら手を挙げろ」
そう言うと、インドの町の名を次々挙げる。
「デリー、メーラト、ファリダバード・・・」
一緒にバスに乗っていた乗客の一人が、「バローダ?」
乗客たちが次々を町の名を言ううちに、一人の乗客が「プラタップガル?」

それを聞いたパワン、「あなた、プラタップガルから?」
パワンもプラタップガルの出身。
「最近はデリーにいるんだ」とパワン。
「なぜデリーに? 仕事、それとも女か」
「話せば長くなる」
「いいから聞かせてくれ」と乗客たち。

そして、パワンの生い立ちが語られる。
ここまで、映画が始まって 26 分 30 秒。
長くなるので、彼の生い立ちと、彼が置かれている今の状況は、次回紹介します。

2015年12月7日月曜日

Bajrangi Bhaijaan -- 翻訳準備完了

Bajrangi Bhaijaan (バジェランギ・バイジャン)の翻訳準備完了。
来年暖かくなるころを目標に字幕を翻訳していこうと思う。

翻訳環境だけど、こんな感じ。


Aegisub で画像と音声を確認しながら、Google 翻訳者ツールキットを使って翻訳している。
この翻訳環境を整えるには、DVD に入っている VOB ファイルから、SRT 形式の字幕ファイルと、AVI 形式の動画ファイルを作成する必要がある。

VOB ファイルから SRT 形式の字幕ファイルを作成するには、SubRip が便利。
DVD の字幕は画像形式。SubRip には OCR が内蔵されていて、画像形式の字幕を文字形式に変換してくれるのだが、ほとんどの場合 I (アイ)と l (エル)が区別できない。字幕を作成した後に、手作業で修正する必要がある。
MS Word や互換ソフトでスペルチェックを実行すると、修正は比較的簡単。
STR 形式の字幕ファイルができたら、それを翻訳者ツールキットにアップロード。

VOB ファイルから AVI 形式の動画ファイルを作成するのは、CravingExplorer が便利。
このソフト、YouTube などの動画サイトから動画をダウンロードするツールだが、変換タブに VOB を放り込むだけで AVI に変換してくれる優れものだ。

Aegisub で STR 形式のファイルを開き、映像として AVI 形式の動画を読み込み、音声として映像から音声を読み込めば準備完了。上の画像のような作業環境ができあがる。

11,597 ワード、仕事を休んでメチャメチャ頑張れば 1 週間くらいで完成するかもしれないけど、気が向いたときだけの作業なので、完成はいつになることやら。
ボチボチとやっていきますので、少々お待ちを。

2015年12月6日日曜日

HIDER (ハイデル) -- 日本語字幕を公開

やっと、やっと、やっと Haider 日本語字幕 できた!
夏にはできるはずが、4 か月遅れの完成。
ここで公開してるので、興味ある人はどうぞ。

日本語字幕で見た Haider、良かった!
評価は、最高級の S

歌や踊りを楽しむ映画じゃないから、インド映画らしくないかもしれない。
だからこそ、日本で公開すればヒットするのではないかと思う。

前半はカシミールの悲劇。
様々な武装勢力を強権で鎮圧するインド軍。
インド軍に与えられた特権。軍事政権下のカシミール。
令状なしの逮捕など日常茶飯。
軍に逮捕されて、そのまま行方不明になってしまうことも日常茶飯。
この映画は、訴える。カシミールの人々に人権はない。

後半は、ハムレットをベースにしたストーリー。
ただし、解釈は異なる。
兄殺しの弟が、祈りながら自分の罪を告白する場面。
ハイデルは銃を持って真後ろに立つ。
しかし、引き金を引かない。
祈りの途中で殺したら天国に行ってしまう。
自分の父親を殺した罪人を天国には行かせない。
だから引き金を引かなかった。
これ、ムスリムの理屈かもしれないが、原作より説得力がある。

この映画、始めてみたら何気なく通り過ぎてしまいそうなところに、様々な仕掛けがしてある。
二回目に見ると、そこに気が付いて、また面白い。二回目は一回目以上に楽しめる。
この監督、只者じゃない。

この映画をこれほど魅力的にしているのは、魔性の女ガザラ・ミール役を演じているタブーの演技力だ。

ガザラ(タブー)

モデルは、ハムレットの母ガートルード。
弱き者、汝の名は女なり。難しい役だが見事に演じている。
妖艶な美しさが印象に残る。本当に夫を殺したのか?
謎だ。こんな美しい人が、罪を犯すはずがない。

ハイデル役のシャーヒド・カプールも適役だ。

ハイデル(シャーヒド・カプール)

父が軍に逮捕されたまま、行方不明に。
父を探すうちに、弟に殺されたと聞く。
あの有名な台詞「To be or not to be」も出てくる。

一回目見たときはさほど印象に残らないが、二回目以降はすごい存在感で迫ってくるのが、ハイデルの父と同じ収容所に入れられていたというローダール。

ローダール(イルファン・カーン)

ハイデルの父親の亡霊的存在。
ハイデルに父の復讐をするよう迫る。

この映画、日本でも公開してほしいなぁ~
日本語版 DVD を出せばいいのに。
ごく一部の人が見て、カシミールって本当にこんな所? と思ってくれるだけでも、この映画の価値がある。

日本語字幕付けたインド映画を YouTube にアップロードしたら違法だし、、、、あ~あ、もったいない。せっかく日本語字幕を作っても、誰の役にも立たないとは、、、、
許されるのなら、この映画、日本語字幕付きでいつでもタダで公開するぞ!

2015年10月26日月曜日

Bajrangi Bhaijaan -- 感動した! SONY 頑張れ!

Bajrangi Bhaijaan(バジェランギ・バイジャン)を英語字幕で最後まで見てしまった。
ラストの感動シーン、あまりにもあからさまなのに、感動してしまった。
監督の思うツボ。 大満足の映画だ!

インド映画を見て、いつも気になるのは日本製品。
登場するビオカメラは、SONY 製!


やったぜ、SONY! 頑張れ SONY!

映画にさりげなくブランドが出てくるってのは、大事なんだよね。
服もそうだけど、電子機器もそうだよね。
ちなみに、ラップトップ コンピュータは DELL だった。
スマホのブランドは確認できなかったけど。

この映画、泣くぞ!
英語字幕でも、これだけ感動できるのだから、何としても日本語字幕で見たいものだ!

2015年10月20日火曜日

Bajrangi Bhaijaan -- DVD を入手!

きゃっほ~い、Bajrangi Bhaijaan の DVD が手に入った!!!


パスポートもビザもなしに、口のきけない女の子をインドからパキスタンに連れて行く映画らしい。
「見て泣いた」という女性も。
次の字幕翻訳は、これに決まり!!!!
早く、Haider を終わらせなければ。

2015年10月14日水曜日

HIDER (ハイデル) -- 粗訳完了

たった今、Hider の粗訳が完了した。
期待どおりの素晴らしい映画だ。

ハムレットをベースにした兄殺しの仇討ち物語だが、舞台はカシミール。
単なる仇討ち物語に終わらせずに、カシミールの悲劇を強く訴えた重厚な作品に仕上がっている。

翻訳に長くかかりすぎたので、最初のほうの記憶が曖昧。
もう一度最初に戻って、訳に手を入れる必要がありそうだ。

この映画、ストーリーをどう紹介していいのか悩んでしまって、ブログを更新することができなかった。しかし、全体像が分かったので、ほどほどに紹介できそうな気がしてきた。今後の更新をお楽しみに。

2015年9月27日日曜日

ナマステ★インディア

「雨降らなくて良かったね!」
「うん、本当によかった。でも、搬入日は大雨だったよ」
「デング熱騒ぎは大変だったね」
「お客さんほとんど来てくれなくて、赤字だったよ」

で、DVD の話し。
「サルマン・カーン、大ヒットじゃん」
「でも、DVD 手に入らない」
「今なら売れるんじゃないの?」
「でも、入ってくるDVD、品質悪い」
どんなDVDなんじゃい! 正規品で品質悪いなんてことあるのか?

「正規品 3000円以上、日本では売れない」
そりゃそうだろうさ。
日本語字幕なしのDVDを、この日本で、3000円以上で売れるかよ!

「インドでまだ上映中だから高い」
上映が終われば安くなるから、それまで待てって。
もう少しすれば、1000円以下で売れるようになるんだそうな。
名誉のために言っておくけど、彼の扱っているのは正規品。
ただし、流通経路は極めて怪しい。

まあ、しょうがない。
今年のサルマン・カーンはもう少し待つか。

2015年9月8日火曜日

HIDER (ハイデル) -- カシミール問題

HIDER の字幕翻訳、52%完了。
中間地点を通過!!

この映画を見る前に、カシミール問題を勉強する必要がありそう。
映画の前半では、カシミールの悲惨さが表現されていて、安全がタダだと思っている日本人にとっては、ただただ衝撃だ。

頻発するテロ、武装勢力が選挙を妨害 -- 日本じゃ、考えられないよね。そもそも、日本には武装勢力などいない。しかし、カシミールでは、投票所で自爆テロだって! 信じられない! 恐くって、投票など行けないじゃないか。

少年が武装勢力に勧誘される -- 武装勢力の新戦力として、少年が兵士に勧誘されるケースがあるようだ。武装勢力にスカウトされ、軍事訓練所で訓練を受けて少年兵になるなど、あってはならないことじゃないか!
HIDER でも、少年ハイデルが銃を隠し持っているのを母親が見つけ、放っておけば武装勢力に勧誘されてしまうのを防ぐために、ハイデルをカシミールから遠く離れた地に送ろうとするシーンがある。ハイデルは、どこにも行かないと言い張るが、母親は自分のこめかみに銃を当ててハイデルを説得する。


日本じゃ、こんな映画、作れないよ。

軍に逮捕されて行方不明に -- カシミールの治安を守るために、インド軍が駐屯しており、特権を与えられている。実際には、行き過ぎがあるようで、拷問を伴った取調べや、逮捕されたまま行方不明になってしまうなど、国際的な人権問題になっている。
アジア・太平洋人権情報センターの Web ページには、「カシミール-聞こえざる声、届かぬ声」と題するレポートが掲載されている。

この映画では、ハイデルの父親が逮捕された後、行方不明に。
まさに、この映画のテーマだ。

カシミール人の誰もが、平和に生きたいと思っているはずなのに、なぜ、こんなグダグダになってしまうのか!

カシミールって、どんなところ?

カシミールの場所は、インドの一番北、ひし形の一番上。
面積は 22 万平方キロメートルで、日本の本州とほぼ同じ大きさ。
約半分をインドが支配、3 分の 1 をパキスタンが支配、残り 6 分の 1 を中国が支配している。
これだけで、カシミールがいかにグチャグチャな状態か、想像できる。

民族も宗教も多様。イスラム教が多数だが、ヒンズー教、仏教、ラマ教もいる。

大半が山岳地帯。木々の緑と湖が美しい風光明媚な土地で、気候は清涼。
観光資源に恵まれているが、ラダック以外は危険地帯。
外務省は、ラダック以外のカシミールへの渡航を控えるよう呼びかけている。

米のほか、トウモロコシ、小麦、豆、蕎麦などが栽培されている。
主食は米。ラム、マトン、ヨーグルトを使った辛いカレーが郷土料理とのこと。

カシミアヤギの毛で織ったカシミールの毛織物がカシミアなんだって!
へ~、そうなんだ。

カシミール問題の概要

インドがイギリスから独立するときに、インドとパキスタンに分かれてしまうわけだけど、カシミールを統治していた藩王は、独立を画策して、インドとパキスタンのどちらに帰属するとも言わなかった。カシミール住民の多数派はイスラム教、藩王はヒンズー教ということで、微妙な立場だったようだ。
イスラム教徒がパキスタンへの帰属を求めて暴動を起こすなど、カシミールは混乱状態に陥った。
業を煮やしたパキスタンが武力介入すると、藩王はインドへの帰属を表明。
藩王の要請を受けてインドがカシミールに出兵し、パキスタンとの紛争に発展した。
第一次印パ戦争である。1947年10月に始まり、停戦となったのは 1948年の大晦日。
1948年8月、カシミールがインドとパキスタン、どちらに帰属するかは住民投票で決めるとの決議が国連でなされたが、インドの反対で実現されなかった。

カシミールには多くの武装勢力があるが、その主張は様々だ。パキスタンへの帰属を求めるグループもあれば、独立を志向するグループもある。パキスタンで軍事訓練を受けたグループもあれば、アフガニスタンのタリバン勢力もある。ジハードを唱えるアラブ人グループまで存在する。

カシミール最大の武装組織は、ヒズブル・ムジャヒディン。
カシミールのイスラム教徒の組織で、パキスタンへの帰属を求めており、外国人主体の武装組織とは一線を画している。映画 HIDER にも、ヒズブル・ムジャヒディンの名が出てくる。

どうすれば問題が解決するのか、いつになったら問題が解決するのか、誰にも分からない。
HIDER では、そんな絶望的なカシミールの姿が丹念に描かれている。

こんな映画も、たまには見るものだ。
インド映画には、愚にも付かない面白さを求めてきたが、岩波ホール向きの、こんなシリアスな映画も良いものだ。普段考えていなかったことを考えさせてくれる。

2015年9月6日日曜日

Hider (ハイデル) -- インド軍事特別権限法 AFSPA

今 Hider の翻訳中と言っても、誰も興味を示してくれない。
「そんなものより、サルマン・カーンの最新作 Bajrangi Bhaijaan (バジュランギ・バイジャン)が面白いから、それを見ろ」って。
こちとら、字幕なしのヒンディー語映画見ても、さっぱり分かんね~の!
インド映画ばっかり、次々見てられるかよ。

でも、見た連中は皆面白いと言ってるので、きっと面白いんだ。
う~、見たい! DVD 手に入れねば。
DVD 買ってきて、その英語字幕を日本語に訳して、それから日本語字幕付き DVD に焼き直して、やっとインド映画を見られるんだから、時間もかかるさ。
インド人みたいに、そんなにホイホイと見られないのだ!

それはそうと Hider の字幕翻訳、30%ほど完成。
背景というか、環境というか、カシミールという紛争地帯の特殊性というか、この軍事的緊張感を受け入れるには、自分の平和ボケした頭を切り替える必要がありそうだ。

この映画のキーワードは AFSPA。
知らなかった。インドで、いや世界で AFSPA がこれほど問題になっていたとは!

AFSPA とは、Armed Forces Special Powers Act (軍事特別権限法)のこと。
パパッと、いい加減に調べたところ、「令状なしの逮捕、射殺、「動乱地域」とされた地域にある財産の破壊など、広範な権力を軍に付与するものである」とのこと。詳しくは、NGO「人権ウォッチ」の このページ を見てもらえばいいのだが、警察権と司法権の両方が軍にあるということで、軍による不当逮捕や逮捕された人が行方不明になってしまうとか、色々あるらしい。
この映画でも、AFSPA は悪法として描かれているようだ。

映画は、怪我をした反政府武装組織のメンバーの命を医者が助けるところから始まる。
「これが医者の使命だ」とか何だとか、、、
しかし、軍に見つかり、医者は逮捕され、行方不明に。

医者の息子が Hider。僕の父は、どこにいるのだ!
でもって、Heider の父親探しが始まる、、、、と、今のところ、こんな感じかな。


ハイダル(シャーヒド・カプール)

彼の代表作は Jab We Met だけど、英語字幕で見ただけなので
ほとんど覚えていない。
しかし、本作にはバッチリはまっている。演技力は抜群。
この映画は、彼の本当の出世作になるかもしれない。
陰鬱な雰囲気の中で、Heider の母親と叔父が登場し、これからどうなるのか、、、、
興味津々、観客をぐいぐい引き込む秀作だ。

2015年8月31日月曜日

明日から 9 月

ひょえ~!  明日から 9 月!

この 1 か月、何をしていたんだろう。
高校野球と世界陸上を見ていたような気がするが、他には何も思い出せない、、、空白の 1 か月。

明日から 9 月だし、ずいぶん涼しくなってきたことだし、止まっている Haider を何とかせねば。
わりとよさげな映画なんだから、もう少し頑張れよな、俺!

というわけで、明日から頑張ります。
インド万歳!

話し変わるけど、世界陸上でインド選手ほとんど見なかったよね。
インド人はスポーツに興味ないのかな?
クリケットは盛んらしいけど、陸上選手はいないのか?

陸上と言えば、武井壮が出演している「ミルカ」が話題になったよね。


この映画、実は見てないんだ。
以前買った DVD がどこかにあったはず。しかし、英語字幕。見ても半分も理解できない。
ツタヤで日本語字幕、借りてこよ~と!

2015年8月11日火曜日

Hider (ハイデル) -- ハイダー改めハイデル

あづい~~~~

インドでは夜は気温が下がってエアコンがなくても眠れるが、何だ、この東京の暑さは!!!
インド人もびっくりの暑さだ。

エアコンをつけないようにしていると、眠気が襲ってくる。
これって、熱中症の症状かも。
そう思ってエアコンのスイッチON!
う~ん、するしい!
しかし、何だか贅沢しているような、、、、でもって、OFF、、、、う~あづい!
この繰り返し。

ところで、インド映画の字幕の翻訳は止まったまま。
Hider は人の名前なんだけど、聞けば聞くほど微妙。
ハイダーと言っているような気もするし、ハイデルと言っているような気もする。
ヘーデルのようにも聞こえる。
インド式発音のことだから、ハイデルに近いのかもしれない。

アメリカの大統領の名前が、リーガンからレーガンに変わった例もあるくらいだから、ハイダーがハイデルに変わっても問題ないだろう。
というわけで、ハイダー改めハイデル。

ハイデルの日本語字幕、いつ頃できそうかって?
見通し、まったく立たず。

2015年7月22日水曜日

Haider (ハイダー) -- やっとタイトル登場

そっか~~、7 月 6 日以来、字幕の翻訳がストップしていたんだ。

何をしてたんだろう?
ギリシャ問題? 安保関連法案の強行採決? プレミアム商品券買えなかった?
そんなもの、関係ないしな、、、

久々に Haider の字幕翻訳の続きをやろうと思ったら、それまでのストーリー(といっても始まったばかり)をすっかり忘れてしまっている。そうか、こんな映画だったんだ、、、と思い出して、少し翻訳を続けたら、ようやく映画のタイトルが登場。


開始から 13 分のところ。
まだまだ始まったばかりで、どんなストーリーが展開されるのか分からないけど、何だか重そうな映画だ。雰囲気、暗いぞ!

2015年7月4日土曜日

Haider (ハイダー)-- 次はこれ!

重そうな映画、2014年10月に公開された Haider。
こいつは、一切の予備知識なしに見たほうが面白そう。


今年は PK に続いて I と、最高に面白い映画に巡り合えた。
3 発目は、既に評判の高い安全牌でいこうと思う。
あの名作を映画化したもの、、、そんな知識は不要!

舞台はカシミール。それだけで、この映画がコメディーでないことが分かる。
あんまり重過ぎるのはイヤだけど、I の後には少し重いくらいがいいかもしれない。
9 月ごろの完成を目指して、字幕を訳してみたい。
7,155 ワード。標準的なインド映画は 10,000 ワード強だから、8 月中ごろには終わるかも。
しかし、夏は外で遊びたいから、もっとかかるかも。



2015年6月21日日曜日

I (アイ) -- やっと完成!

「I」の日本語字幕が完成し、通しで見た。
やはり気になるのは、歌詞の部分。
タミル語が分からず、英語と比較しなければ、こんなものかと思ってもらえるレベルには仕上がったようだ。極端に不自然というわけでもないが、素晴らしい! と絶賛できるレベルでもない。
字幕は、字幕倉庫に入れておいたので、興味があれば見てほしい。
クソボロに言ってもらっても結構。
ただし、映画は面白い! 評価は、文句なしの A

タミル映画をもう少し見てみたい。
今は、そんな気になっている。

「I」の字幕の翻訳を始めたのが 4 月 20 日過ぎ。
約 2 カ月間、楽しめたわけだ。

次は、どうするかな。
芸術的な映画、社会的な映画、教育的な映画は、まったく興味なし。
映画は、面白くなければ映画じゃない。
面白いだけでもかまわない。
バカになって映画を見るのも、楽しいものだ。疲れが取れる。
そんな俺にピッタリのインド映画、募集中!

2015年6月20日土曜日

I (アイ) -- 主な登場人物

I (アイ)という映画、あらすじを書くと、推理小説の犯人を最初にばらしてしまうのと同じことになるので、あらすじは書かない。

しかし、結論を知っていても、この映画は何度でも楽しめる。
いい映画っていうのは、何度見ても見飽きないものだ。
1 回見たら終わりってな映画は、ろくな映画じゃない。

さて、この映画の主な登場人物 、、、

野獣? 怪人? せむし男?

映画は、怪人が美女を誘拐するところから始まる。
何者だ、こいつ!
美女と野獣、ノートルダムのせむし男。
映画のタイトル "I" とは何か!
リンゲサン(ビクラム)

ボディビルダーで、ミスターインドになるのが夢。
ディヤの大ファン。
ディヤのためなら自分を犠牲にできるタイプの超善人。

ディヤ(エイミー・ジャクソン)

CM モデル。共演相手のジョンが言い寄るのが嫌で、ジョンを拒否。
ジョンの代わとしてリンゲサンに共演を依頼する。

エイミー・ジャクソンは英国人女優。
インド系というわけでもないのに、各地のインド映画に登場。

ワスリーム(スレシュ・ゴピ)

医師。ディヤの叔父。
リンゲサンのジムに通っており、リンゲサンの後援者でもある。

ワスリームは聞こえたまんまカタカナにしたもの。
英文字表記では、Vasudevan。

ジョン(ウペン・パテール)

CM モデル。権力を笠に着てディヤに言い寄る。
ディヤとリンゲサンの CM が好評を博すと、仕事が激減。
リンゲサンを憎むことに。

インドラ・クマル(ラムクマール・ガネサン)

香水や清涼飲料水など、様々なブランドを持つ大企業の経営者。
中国ロケが行われた香水「I」も、この企業の製品。

CM モデルをジョンからリンゲサンに切り替えるが、、、

オスマ・ジャスミン(オジャス・ラジャニ)

オネエ系スタイリスト。
リンゲサンに愛情を抱くが、リンゲサンがディヤにしか興味が
ないと知って逆恨み。

ラビ(カマラジ)

ボディービルダー。リンゲサンのライバル。
卑怯なことをして、ミスター・タミルナドゥー大会でリンゲサンに
敗れ、リンゲサンに恨みを持っている。

バブー(サンサナム)

ボディビルジムのコーチでリンゲサンの親友。
リンゲサンが苦境に陥ったときも、常に側にいてリンゲサンを
支える。


誰が善人で、誰が悪人か。
映画は、大多数の観客の予想を見事に裏切って、とんでもない結末に!
面白いこと請け合い! 見て損なし!!

2015年6月16日火曜日

I (アイ) -- かむンと ふにゃん ふにゃん

映画『I』のこぼれ話し。
香水「I」の CM 撮影が中国で行われたわけだけど、中国ロケシーンの冒頭、民家の部屋内のテレビ。


映っているのは、どう見てもロッテのフィッツ、秋田編だよな。
「かむンと ふにゃん ふにゃん、ロッテのフィッツ!」
日本語の曲がそのまま流れている。
本当かよ! 中国で、こんな CM 流れてんのか?


歌もダンスも最高! これなら中国どころか、インドに進出しても大丈夫だ!!

2015年6月11日木曜日

I (アイ) -- Aila Aila

まだ、I (アイ)と格闘中。
やっと「Aila Aila」の歌詞の翻訳作業を突破。しかし、訳のできばえ、すこぶる不満。


「Aila Aila」のタミル語と英語の歌詞は、ここに掲載されている。
日本語字幕が完成したら、字幕倉庫で公開するので、いかに下手な訳をしているか、
見てやっておくんなせぇ!

この曲は、7 つの CM が連なったもの。
歌詞は CM ソングみたいなものと思って訳せばいいのだろうけど、
俺って、訳詩の才能まるでなし。ダメだわ、、、、

「Aila Aila」に登場する CM は、多くが実在する企業のもの。


まずは、ブルックボンド紅茶の「3 ROSES」。
ブルックボンドは、日本でも有名だ。
本場の CM を見てみよう。


Amazon で調べてみたけど、日本では「3 ROSES」は手に入らないみたい。


Gillettin?  Gillette のことだよな、これ。

男性用カミソリ「ジレット」。P&G の世界的な有名ブランドだ。
説明の必要は、ないだろう。
ちなみに、俺が使っているのはジレットのライバル企業の製品 Schick HYDRO 5。

ジレットは、日本人にとっても高級カミソリ。そのジレットが、なぜインドで50%以上ものシェアを獲得できたのか。ジレットがインドでのキラー商品「ガード」を発売したのが 2010 年。それからシェア 50%を超えるまで、わずか半年。すっげー、スーパーヒット商品だ! 日本企業も、ぜひ、見習ってほしい。インド人に日本市場の安物を売るんじゃない! インド人が喜ぶインド仕様の製品を作らなければ!!


ダークファンタジーは、インドの高級クッキー。
日本円で考えると安いものだが、インド人にとっては、とんでもない高級品らしい。
ダークファンタジーについては、「カレーなる日々」さんが詳しく紹介してくれている! 感謝!


この「close fresh」という歯磨き粉、実在するのかどうか不明。
インドの歯磨き粉市場は、小枝で歯磨きというのを除けば、コルゲートが圧倒的なシェア(50%以上)を占めている。インド市場で第2位のユニリーバ(市場シェア20%強)の歯磨き粉「クローズアップ」は有名だが、「クローズフレッシュ」は確認できず。

日本で歯磨き粉といえば、ライオン、花王、サンスター。
お前ら、何をやっている! インドへ行って売りまくって来い!
P&G も、遅ればせながらインドに進出したと言うじゃないか!


ご存知、我らが日本ペイント!
日本企業も世界で戦っているんだ。

日本ペイントの CM の部分、歌がないんだよね。
歌があれば、どんな歌詞になっていたんだろう。
興味あるよね。

しかし、歌がなくても、よくできた CM だと思うよ。
日本でも流せばいいのに。

塗料メーカーといえば、日本にはもう 1 社、関西ペイントという会社があるんだよね。
日本ペイントと関西ペイント、そりゃ日本ペイントの方が10倍くらい大きいと思うじゃない。
だって、日本と関西だぜ!
ところが、どっこい、関西ペイントの方が僅かに大きいらしい。
面白いものだね。


繰り返し、繰り返し CM を見せられていると、つい、その気になってしまう。
まるで、ドモホルンリンクルのように。
インドのフェア・アンド・ラブリーの美白クリーム。
CM がバンバン流れていて、メタメタ売れているらしい。
インド人も美白なんだね。女心は世界共通、美白ってことらしい。

では、本場の CM。こちらは、洗顔クリーム。どうみてもインド人には見えないが、こんな CM を流していてインドで売れまくりなのだから不思議なものだ。


この「フェア・アンド・ラブリー」、インドの地場企業のブランドだと思っている人も多いみたいだが、ユニリーバのブランドな。試験に出るから覚えておこう。


最後は、インドのジーンズ「DERBY」。
これも、実在のブランドだけど、まったく知識なし。よって、コメントなし。

CM は面白いよね。見ているだけで、楽しくなる。

今月中には、何とか I の日本語字幕を完成させたい!
何が何でも完成させるぞ!
えい、えい、おー!!

2015年6月3日水曜日

I (アイ) -- 歌詞が激ムズ!

I (アイ)の英語字幕は歌詞の部分が表示されない。今、歌詞の英訳を探してきて訳そうと頑張っているところ。しかし、激ムズ!!

Ladio


タイトルの Ladio からして、意味が分からん!!

出だしの歌詞、

 Kasada Thapara (カサダ タパラ)
 Gnanana namana (ガナナ ナマナ)
 rabada Thabada (ラバダ タバラ)

何の呪文なんだ?


タミル語の童謡に同じ歌詞を発見!
しかし、意味不明。タミル語の分かる友達もいないし、理解不能。

続いて、、、

 ladio レディーオー
 beautiful ladio 美しいレディーオー
 sexy ladio セクシーなレディーオー
 likes kodiyo Kodiyo? なんだべ?

これ、俺には無理だわ。

Mersalaayitten


これも、タイトルの Mersalaayitten の意味が不明。
ただ、Mersalaayitten については、映画の後半で、リンゲサンがディヤに Mersalaayitten の意味を知っているかと尋ねるシーンがある。
ディヤは答える。「あなたが私に抱いてくれた気持ちでしょ」

映画からは、この言葉はチェンナイの下層階級の人々の言葉で、同じチェンナイでも上流階級の人は知らない、、、という印象を受けた。

ネットに掲載されていた Mersalaayitten の Q&A によると、「衝撃を受けて、ボーとして、どうしていいか分からない状態」という意味のようだ。日本語で、どう表現しよう。

Pookkalae sattru oyivedungal


今、こいつを訳しているところ。

 「アイ」が美しいという意味なら、彼女はもっと美しい
 「アイ」が神という意味なら、彼女こそ神だ

タミル語の「アイ」には、美しい、サプライズ、柔らかさ、プロ根性といったように、色々な意味があるようだ。もちろん、発音が近いだけで同一の単語ではないのだけれど、この曲の歌詞には、この映画のタイトル「アイ」の色々な意味が含まれている。

ムズイなあ、、、 タミル語の発音を前提にした歌詞を日本語で表現するなど、、、

せりふ部分の翻訳が終わったので、間もなく完成かと思っていたけど、とんでもない。
まだ、しばらくかかりそう。

まっ、締め切りがあるわけじゃなし、ゆっくりやろう。

2015年5月29日金曜日

I (アイ) -- 翻訳終了(完了じゃない)

たった今 "I" の字幕、最後まで翻訳した!
評価は "A"!  面白いから絶対に見るべし!!

映画を見始めて最初に頭に浮かぶのは、美女と野獣。
この曲「Ennodu Nee Irundhaal」(あなたさえ居てくれれば)は、美女と野獣そのもの。


何もいらない
ただ 天使がいれば・・・
あなたが側にいてくれさえすれば
生きていける

涙なしには聞けない野獣の切ない思い。
誰に呪いをかけられたの?
いや、この映画はそうじゃないんだ。

全部知ってるから、言いたくて、言いたくてしょうがないんだけど、、、、
犯人はこいつだ! って言ってしまったら終わりだよね。
う~っ、言いたい。

美女と野獣って、何か崇高なテーマがあると思うじゃん。
人は見かけじゃない、心が美しければ、、、とか
説教じみたことを言うと思ってたんだよね。

さすが、南インド映画は違う!

Enthiran (邦題: ロボット)もそうだった、、、
ロボットが人間に恋をして破滅していく。何かを訴えたい映画だと思ったじゃん。
でも、クライマックスはハチャメチャの娯楽映画。

そうなんだよ、映画は面白くなければ!
"I" も同じ。

"I" を見終わった後の正直な感想。
くっだらねぇ~!
しかし、メチャメチャ面白い!!

以上、とりあえずの乾燥ワカメ。

2015年5月26日火曜日

I (アイ) -- まだ翻訳中

げっ !?
前回の更新から 2 週間も経っている!

I の字幕翻訳、現在 62%。
INTER MISSION を僅かに過ぎたところ。

非常に面白い映画。それは間違いない。
今は、わくわくしながら、字幕を翻訳しているところ。

で、映画を見たら気付くと思うが、日本企業のコマーシャルが!

この映画、主人公のリンゲサンの憧れの彼女 ジャヤ は CM モデル。
共演相手はジョン。
その CM を見て、リンゲサンはジャヤに入れ揚げている。

当初のジャヤの活躍は、映画が始まって間もなくの Ladio という曲で表現されている。


正直、この曲の歌詞は訳すのが難しい。
そもそも Ladio って何?
オー夫人? それだったら Lady O でねえの?

ディヤは、それまでの共演相手のジョンが言い寄るのが嫌で、ジョンを拒絶。
このジョンというやつ、本当にイヤなやつなんだよ!
(そう思わせるってことは、役者がうまい?)
ジョンはディヤを業界から締め出そうとする。
ディヤの大きな仕事。香水「I」の CM の中国ロケ。
ディヤは、新しい共演相手としてリンゲサンに白羽の矢を立てる。

この映画の監督シャンカールは外国ロケが大好き。
Enthiran(ロボット)でもペルーのマチュピチュで大掛かりなロケを敢行。
しかし、日本で公開された「ロボット」では、マチュピチュのシーンはカットされていた。
予算かけたのになぁ、、、残念!
で、今回の「I」では、懲りることなく中国の桂林で大掛かりなロケ。頑張った!

中国で撮影した CM は大当たり。
スポンサーは、今後もディヤとリンゲサンを使うことに決定。
2 人の仕事はどんどん増えていく。
2 人がどんな CM に出たかって?
このビデオを見れば分かる。曲は「Aila Aila」。


気が付いたよね! これ!


世界で活躍する日本企業! 頑張れ日本!!
インドでも有名なんだろうか?
これを出してもらうために、いくら使ったんだろう?

日ペよ! お前んとこのコマーシャル、テレビで見たことないぞ!
こんな格好良い CM 作ってんだったら、日本でもやれってんデイ!

日ぺの CM 部分、振り付けが Chennnai Express の Kashmir Main Tu Kanyakumari に酷似。
そう見えるのは、お前だけだって?
そうかなぁ。。。

2015年5月12日火曜日

I (アイ) -- 翻訳中

I (アイ)の字幕翻訳、まだ 1 時間ちょい過ぎのところ。
面白い。最高!

ネパールの友人が帰国。
3 日間水だけで過ごしたのとのこと。
でも、無事でよかった。

地震のとき、ピクルスのビンを持って逃げたんだって。
人間、パニックになると手近なものを持って逃げるもので、本人もなぜピクルスのビンを持って逃げたのかわからないとのこと。

そのピクルスのお裾分けをもらった。
おふくろの味だと思った。

今日も強い余震があったらしい。
頑張れという言葉が適切かどうかわからないが、頑張れネパール人!


2015年4月26日日曜日

ネパールで巨大地震

昨日、ネパールで巨大地震。
たまたま親しいネパール人が帰省していたときの地震だったので安否が心配されたが、電話で彼女と彼女の家族の無事を確認。一安心だが、日本のように食糧や水の配給があるわけではないし、余震も続いているとのことで、これからが大変かもしれない。
今は、近所のスーパーに避難しているとのこと。暖かくなってきたとはいえ、夜は冷えるだろうから、それも心配。日本の地震のようにニュースが刻々と入ってくるわけではないので、もどかしい。

2015年4月24日金曜日

I (アイ) -- 予備知識

タミル映画『 I 』(アイ)の字幕翻訳を開始。
最初から面白さ爆発。

字幕の翻訳をしていると、さらりと映画を見ただけでは気が付かないようなところも気になる。
特に、今回の映画は南インド映画。
聞き慣れない言葉がわんさか登場する。

タミル映画は、ほとんど見たことがない。
「ロボット」と「チェンナイ・エクスプレス」くらいだ。
おっと、「チェンナイ・エクスプレス」は舞台が南インドなだけで、ボリウッド映画だった。

「ロボット」はタミル映画だったけど、タミル特有の服装でもなかったし、タミル特有の料理も出てこなかった。アイシュワーリヤがイドリやドーサを食ってるなど、ちょっと想像できないから、監督も配慮したのかもしれない。
「チェンナイ・エクスプレス」では、タミル語を覚えた。
「イッレー」(No、いいえ)。これは、『 I 』にも出てくる。知ってる言葉が出てくると、嬉しくなる。

『 I 』は生粋のタミル映画。まずは、主人公リンゲサン(ビクラム)のこの格好。


腰に巻いているのは、ルンギーという伝統衣装。高温多湿の地域ではズボンより快適とのこと。日本のステテコを持っていったら、売れるかも。

『 I 』では、リンゲサンがモデルのディヤに熱を上げるのだが、リンゲサンの友人バブー(サンサナム)がこんなことを言う。
「皆、トリシャや、アヌーシュカや、ナミータのファンだ。ソナのファンもいる。ディヤに熱を上げているのは、お前だけだ」
ディヤ(エイミー・ジャクソン)は、この映画のヒロイン。すごい美人だけど少し痩せすぎ。


さて、トリシャ、アヌーシュカ、ナミータ、ソナは、映画のせりふにも出てくるくらいだから、南インドでは誰でも知っている有名な女優さんらしい。映画を見る前の予備知識として、調べておこう。

トリシャ・クリシュナン

1999 年のミス マドラス。
アヌーシュカ・シェッティー

女優になる前は、ヨガの先生だった。
こんな美人の先生なら、世の男どもは絶対にヨガ習いに行くよな。
ナミータ

ミス インド コンテストで何度か次点になっている。
テレビ コマーシャルにも多数出演。
ソナ・ヘイレン

2002 年のミス南インド。

南インド映画はほとんど見たことがないので、彼女たちがどんな映画に出て、どんな演技をしているかは知らない。こんな美人の女優さんたちが出ているのなら、南インド映画も見てみなければ。

この映画には、南インド特有の料理の名前も出てくる。
リンゲサンはディヤの大ファンで、彼女がコマーシャルに出ていれば、その製品を買っている。
その中には、ブラジャーも。
それを見て、リンゲサンの母親は「それ、私にちょうだい。イドリの布に使うわ」
すると、バブーが「クシュブーイドリじゃなくて、ディヤイドリだ」
むむ、何のこっちゃ?

ここで役に立つのが、下の動画。


クシュブーイドリの作り方。たこ焼きみたいな感じもするね。なるほど、これにブラジャーを使うのか。相当でかいイドリができそう。

この映画を見る前に調べておきたいこと、もう 1 つ。
リンゲサンはボディビルダーで、ミスター インドを目指してボディビル コンテストに出場する。
ビクラムは、この役のために 6 ヵ月もトレーニングしたんだって。プロだねぇ。


ボディ ビルの規定ポーズの名前が出てくるので、覚えておこう(下のイラストは、ここから流用させていただきました)。


必要な予備知識は、とりあえず、こんなところかな?

2015年4月22日水曜日

PK -- 久々の S 級映画!

PK、自分なりに訳した日本語字幕付きで見直した。評価は堂々の S
2008年公開の『Jodhaa Akbar』(ジョーダ・アクバル)以来の S 級映画がついに登場だ。
よかった! 最高に良かった!
今年のインド映画賞は、これで決まりだ!!

インドで、宗教をよくぞ真正面から取り上げた。
圧巻は、2 時間 7 分 4 秒過ぎからの PK のせりふ。
日本語訳を字幕倉庫に入れておいたので、興味があればぜひ味わってほしい。

これほど良くできた映画は、本当に久しぶりだ。
映画自体、ユーモアに満ちていて、非常に面白い。
それでいて、ガツンとやられる。考えさせられる映画だ。

あらすじ

宇宙船に乗ってやってきた 1 人の宇宙人。
着陸した場所は、インドのラジャスタン。
地球に着いてすぐに、宇宙船を呼び戻すためのリモコンを盗まれてしまう。
宇宙人は服を着ていない。素っ裸。
言葉も話せない。
助けてくれる友達もいない。
どうやって家に帰ろう。

PK (アーミル・カーン)

宇宙船のリモコンを盗まれて、家に帰れなくなった宇宙人。

同じ日、ベルギーのブルージュでは、インド人のジャグーとパキスタン人のサルファラーズが出会って、愛し合うようになる。しかし、イスラム教徒との結婚にジャグーの両親は大反対。ジャグーの父親は、信仰しているヒンズー教系の怪しげな教祖、タパスウィーの元に駆け込む。

ジャグー (アヌーシュカ・シャルマ)

ややアヒル顔の美人。TV ニュースのレポーター。
ベルギーでサルファラーズと恋に落ちる。

サルファラーズ (スシャント・シン・ラージプート)

ベルギーでのジャグーの恋人。
いい笑顔、いいやつ。
パキスタン人。

ジャグーの父親 (パリークシット・サハーニ)

タパスウィーの熱心な信者。
騙されやすい善人。
ジャグーは父親を愛しているし、尊敬している。
インド人は、日本人のように父親をバカにしたりはしない。

タパスウィー (サウラブ・シュクラ)

ヒンズー教系教団の教祖。
神の声を聞く振りをしている。
PK のリモコンを持っており、シバ神から貰ったと言い張っている。

ベルギーにいるジャグーと、インドにいる父親およびタパスウィーとは、Skype でつながっている。タパスウィーは神の言葉として、次のようにジャグーに言う。
「そのパキスタンの青年は、あなたを騙している。あなたを利用するだけで、結婚はしない」
そして、「イスラム教の連中は嘘をつく以外に何もしない」と、イスラム教に対する偏見むき出し。

ジャグーはタパスウィーの神の言葉が間違っていることを証明するために、サルファラーズに「明日結婚してくれ」と言う。
翌日、ジャグーが結婚手続きのために登録所に行くと、子供が手紙を持ってくる。
それは、別れの手紙だった。

ジャグーは、失意の内にニューデリーに戻る。
ニューデリーに戻ったジャグーの仕事は、小さなニュース テレビ局のレポーター。
変なチラシを配っている人物に出会う。それは、例の宇宙人。
チラシには、神様を見つけた人は PK に連絡してくれと書いてある。
どうやら、神様を探しているらしい。
ジャグーはニュースになると思ったが、テレビ局のボスは昔、タパスウィーの信者に痛い目に合わされたことがあって、宗教の話題は厳禁。取材の許可は出なかった。

2 週間後、ジャグーは再び PK に出会う。
PK は寺で賽銭を盗もうとするが、ジャグーの機転で捕まらずに済む。
PK はジャグーに、デリーでは警察の留置所に泊まっていると話す。
留置書がホテル代わりのようだ。
警官の目の前で立小便をして警察に連れて行かれる PK。
ジャグーは、それを追いかけて警察に。

警官に賄賂を渡して、PK が入れられている房にジャグーも入る。
自分がテレビのレポーターであることを明かして、話しを聞かせてくれとジャグー。
PK は、自分の仕事が宇宙飛行士で、他の星から来たことを明かす。
しかし、その話しは、到底信じられる内容ではなかった。

PK の星では、相手と手をつなぐことによって、相手の考えを自分に転送できる。
しかし、最初、PK は誰とも手をつなぐことができなかった。
だから、言葉も、他の何もかも、何一つわからなかった。

PK は、人々が着ている服を、最初は皮膚だと勘違いする。
服のことを覚えたら、次はお金だ。
なぜ、この写真を渡すと食べ物がもらえるのだろう?

やがて、PK は気が付く。
盗られたリモコンを探すには、言葉を覚えなければならない。
しかし、言葉を覚えるには誰かの手を長時間握る必要があった。

言葉がわからない PK は騒動を起こし、逃げているうちに自動車にぶつかる。
ぶつけたのは、この地方の有力者。
何と、何と、演じているのは、ギャング役をやらせたら右に出る者がいない、あのサンジェイ・ダット! えっ、えっ、えっ、本当だ!

バイロン・シン (サンジェイ・ダット)

車にぶつけてしまい、そのために PK が記憶喪失。
記憶が戻るまで、客人として PK を迎える。
PK の最初の友達で、PK の兄貴分。

言葉を覚えるためには、誰かの手を握らなければならない。
PK は、誰彼なしに、女性を手を握ろうとする。
それを見かねて、PK を娼館に連れて行く。
紹介された娼婦プールジャリアの手を握る PK。
言語の転送に 6 時間。


ついに PK は言葉を理解し、話せるようになる。
リモコンを取り戻したいと訴える PK、
バイロン・シンは、盗まれたものはきっとデリーだと言う。
「そいつがどこに売ったかが分かれば、取り戻せるかもしれない」

PK は、盗まれたリモコンを探しにデリーへ。

デリーで PK は、人々が神様を口にするのを発見する。
「そんなこと分かるか、俺は神様じゃない」
「助けて欲しければ、神様にすがりなさい」
「それは、神様だけがご存知だ」

いったい何なんだ、神様とは!
盗まれたリモコンを取り戻すには、神様が必要だ!!!!

ここから、PK の神様探しが始まる。
神様、僕のリモコンを取り戻してください。

しかし、インドのこと、神様はいっぱいいる。
ヒンズー、イスラム、キリスト、シーク、ジャイナ、その他色々。
いったい、どの神様を信じれば良いのだろう。

PK は思う。
すべての宗教のすべての神様を信じよう。
その中に、きっと本物の神様がいるはずだ。

しかし、経典を読んでも、儀式を行っても、リモコンが戻ることはなかった。

神様、僕はあなたを探し疲れました。
神様、あなたはどこにいるのですか。
神様、なぜ僕の願いを聞いてくれないのですか。

そんなある日、PK は神様が歩いているのを見つける。
野外ショーに出演するために神様の格好をしていただけなのだが、PK は本物の神様だと思う。
「いた! ついに神様を見つけた。絶対に逃がすものか」

神様がトイレに入る。PK は続いて入って、ドアに鍵。
「おい、僕のリモコンを持って来い」
「お前は誰だ?」
「PK だ、PK」
PK はインド人のありふれたイニシャルだが、ヒンディー語では「酔っぱらい」の意味。
「助けてくれ! トイレに閉じ込められた。酔っぱらいがいる!」と神様。
神様、すきを見てトイレから逃げ出す。
追いかける PK。

神様が逃げ込んだ先は、タパスウィーの信者の集会。
タパスウィーは、信者に向かって、ヒマラヤで神にもらったものを見せると言う。
現れたのは、PK が探していたリモコン。


感激する PK。
「ありがとう神様。僕は神様が逃げたと思った。
しかし、神様は、僕をここに連れてきてくれたんだ」

PK はタパスウィーに言う。
「あれはシバのものではありません。僕のものです。
では、あれを貰っていきます」
しかし、PK は警備員につかまり、放り出されてしまう。

そんな PK の話しを聞いたジャグー。
「あなたは 精神科医に診てもらうべきだわ」
宇宙から来たなど、信じられるわけがなかった。

PK は言う。
「僕の話しを嘘だと思っているんだな」
そう言って、自殺犬の話しをする。
自殺犬はジャグーしか知らない話し。なぜ、それを PK が知っているのか。
さらに賄賂を渡して PK を外に出したジャグー。
「あの話し、なぜ知っているの?」
「君の手を握ったからわかった」と PK。
「嘘を言わないで。きっと、私が話したのよ」
「僕は嘘がつけない。嘘は口を使うが、僕たちの世界では手を握って会話する。
手を握らせてくれ」
そう言って手を差し出す PK。

その PK の手を握ったのは 1 人の老人。
「妻の治療にお金が必要なんです。500 ルピー足りないんです」
PK は言う。「差し上げます」

「あなたは、騙されたのよ」とジャグー。
しかし、PK は、その老人は妻と高級ホテルで食事をしていること、妻の 75 歳の誕生日であること、年金をこつこつ貯めたこと、2 人の始めてのホテルでの食事であること、妻がデザートにアイスクリームを頼んだためにお金が足りなくなったことを話す。
「作り話しをしないで!」とジャグー。
しかし、老人の後をつけていくと、、、、

PK の話しは本当だった。
ジャグーは気が付く。これまでの PK の話しは、すべて本当のことだったのだ。

ジャグーは PK に言う。
「あなたのリモコンは私が見つける」
ここまでが、この映画の前半。後半は、いよいよ PK とタパスウィーとの対決。

映画前半のキーワードは पीके है क्या (ピーケー・ヘ・キャ)だった。
後半のキーワードは、यह रॉंग नंबर है (イエ・ロング・ナンバル・へ)
  • यह (イエ) = それは
  • रॉंग (ロング) = wrong = 不正な
  • नंबर (ナンバル) = number = 番号
  • है (へ) = です
つまり、「それは、間違い電話だ!」

宗教家(教祖)が神の言葉を聞いて、それを人々に伝える。
しかし、明らかに嘘だという内容も多い。
なぜか?
PK は考える。なぜ、神様は自分の願いを聞いてくれなかったんだろう。
それは、宗教家が正しい神の声を聞いていないからだ。
きっと、間違い電話をしているんだ。
間違い電話をされた相手は、冗談を言っているのだ。
宗教家は、それを本当の神の言葉と信じて伝えているに違いない。

ジェリー (ボーマン・イラニ)

ジャグーが勤めるテレビ局のボス。
以前、タパスウィーの信者に痛い目に合わせられてから
宗教をテーマにした番組作りは厳禁。


ジャグーは、間違い電話という PK のユニークな発想を聞いて、PK をテレビに出そうと計画。PK とタパスウィーをテレビで対決させようというのだ。
ジャグーのボスであるジェリーは、昔、タパスウィーの信者に痛い目に合わせられたことがある。ジャグーの計画に最初は反対していたが、PK のユニークさを目の前にして、PK をテレビに出すことを承知する。

ジェリー役のボーマン・イラニは、「3 Idiot」では学長を演じて、その存在感を示した名脇役だ。

インチキ宗教家の言葉に、PK は言う。
「本当の神様なら、そんなことを言うわけがない。それは、間違い電話だ」
多くの人々が PK を支持し、PK のユニークな発想が全国に広がる。

そして、いよいよ、PK はテレビでタパスウィーと直接対決することに。
PK がタパスウィーに発した言葉、それが冒頭に紹介した 2 時間 7 分 4 秒過ぎからのせりふだ。

「私がジャグーに言った神の言葉、サルファラーズに関する神の言葉が嘘だと言うのか」
サルファラーズがジャグーを騙している。イスラム教徒は、皆、嘘つきだ。
サルファラーズは、ジャグーを利用するが、結婚はしない。
タパスウィーは、ジャグーにそう言ったのだ。
「そうだ、そのとおりだ」と PK。
「それなら、証明してもらおう」
タパスウィーは、嘘だと証明できたら、リモコンを返すという。

PK とジャグーの愛も、見事に表現されている。


ラストは、ぜひ映画で見て欲しい。
歌もダンスもストーリーも最高!
何度も繰り返すが、本当に素晴らしい映画だ。

2015年4月9日木曜日

Shankar's I (2015)

今年 1 月に公開されたばかりのタミル映画『I』(アイ)。
音楽のクオリティー、抜群!!!!
この前紹介した Mersalaayitten (マラサライテン)は、この映画の曲の 1 つ。
この曲以外も素晴らしい曲ばかり。

それもそのはず。
この映画の監督は、日本で「ロボット」のタイトルで公開されて大ヒットした Enthiran の監督、シャンカールその人なのだ。

ロボットでは、ロボットが人間の女性(アイシュワリヤー)に恋をして破滅していくという、どこか物悲しさが漂うストーリーでもあったが、『I』はビューティ&ビーストの雰囲気。ビーストが自分を破滅させた連中に、次々と復讐していくロマンティック・アクション・サスペンス。


PK も、ものすごく面白いが、作業が止まってしまっている。
間もなく再開予定。

PK の後は、この『I』を日本語字幕で見たい。日本語字幕付き DVD は、どうせどこにも売っていないだろうから、また自力翻訳だ。

しかし、『I』は PK と同様に、自力翻訳が苦にならないほどの素晴らしい映画に違いない。
IMDb の評価も 8.0 とすこぶる高い。
見たい、見たい、早く見たい! 日本語字幕で、今すぐ見たい!!!!!!!

2015年3月26日木曜日

Mersalaayitten

気になるミュージック動画。
たぶん、タミル語。


日本では、踊るマハラジャ以来、南インド映画がメジャーなのかもしれない。
このミュージック動画、タミル語だと思うが、最近の大のお気に入り。
インド映画の世界は広い、ボリウッドだけがインド映画じゃない。

南インド映画といえば、CG を駆使した「ロボット」(Enthiran)が最近の大ヒット。
この動画の CG も、なかなかのものだ。

2015年3月23日月曜日

PK -- 自転車の面白 2 人乗り

ベルギーのブルージュで、自転車に乗るジャグーとサルファラーズ。


この二人乗りは、映画の中で抜群の効果を上げている。
こんな二人乗りは、やったことがないが、難しいのだろうか、簡単なのだろうか?

わずか数秒のシーンだが、その数秒で観客を引きつけてしまう。
ラージクマール・ヒラニ監督、ただ者ではない。うまい!!

2015年3月20日金曜日

PK -- ピーケー へキャ?

映画『PK』には、「ピーケー ヘキャ?」という台詞が多く出てくる。
その意味は、ここ に詳しく(英語で)説明されている。以下は、自分なりの日本語訳。

ちょっとした問題: ピーケー へキャ?


ピーナは、ヒンディー語およびウルドゥー語では「飲酒」を表す。このため、ピーケーは「酒飲み」の意味になる。

しかし、「お前、飲んでるのか?」の完全な文は、この映画の意図に従えば、「ピーケー アーヤヘキャ?」(飲んできたのか?)、あるいは「ピーエ フーヘキャ?」(何を飲んだ?)とか「ピーエ ヘキャ?」(何飲んだ?)となっても良いはずだ。しかし、少なくとも普通のインド・アーリア語を話す地域では、「ピーケー ヘキャ?」とは言わない。

そのため、プロモーションビデオ「PK hai kya?」で皆が言っている「ピーケー ヘキャ?」は、「ピーケー アーヤヘキャ?」や「ピーケー アーヤキャ?」、「ピーエ ヘキャ?」のように、意味が通るわけではない。

確かに、ラージクマール・ヒラニ監督は作品の中で完璧を追求しているが、この台詞の文は、どう考えても不自然で、特に映画のタイトルとからめて効果を狙って創作した言葉なのだろうが、その効果が十分に発揮されているとはいい難い。しかし、人気が出れば、この文は独自の標準となって、言葉として定着するかもしれない。

下は、その台詞のプロモーション ビデオである。



言葉というのは難しい。それを日本語に訳すのは、さらに難しい。
「ピーケー ヘキャ?」、結局のところ「飲んでるのか、バカが!」というような意味か。

この映画を見てインド人が面白いと感じる部分と、英語字幕を見て欧米人が面白いと感じる部分と、日本語字幕を見てヒンディー語も英語もわからない日本人が面白いと感じる部分、、、それぞれ違うんだろうなと思う。それも、また、面白い。

2015年3月18日水曜日

PK -- その 5

今回は、PK の登場人物を登場順に紹介する。

まずは、宇宙船に乗って地球にやってきた宇宙人(アーミル・カーン)。後に PK と呼ばれることになる。


衝撃の全裸シーン。
人間がこの世界に裸で生まれてくるように、彼も裸でこの世界にやってきたのだ。
PK が降り立ったのは、インドのラジャスタン。

首から下げているのは、宇宙船を呼び戻すためのリモコン装置。
その大切なリモコンをひったくられてしまう。
リモコンがなければ、自分の星に帰れない。

地球に取り残された宇宙人。
言葉もわからないし、ただ一人の友達もいない。
どうやって家に帰ろう、、、、

《同じ日 5000 km 彼方、ベルギーのブルージュ》

軽やかに自転車に乗る女性。この映画のヒロイン、ジャグー(アヌーシュカ・シャルマ)だ。


この曲「Nanga Punga Dost」、CD と映画で歌詞が違う!
映画の英語字幕より、ネットでl公開されている CD の歌詞の英語訳の方が正確なのだが、今回は CD の歌詞の英語訳が使えない。

CD の歌詞は、ジャグーが PK のことを「裸の赤ん坊のような友達」(ナンガ プンガ = 裸の赤ん坊、ドースト = 友達)と歌うのだが、冒頭のシーンは、まだ PK に会う前。さすがに、CD の歌詞じゃまずいわな。

とにかく、映画の中の歌詞を訳さなくては。
ということで、登場人物の紹介は中断。

2015年3月16日月曜日

PK -- インドで大ヒット

インド人のカレー屋の親父に言わせると
「PK という映画、インドで大ヒットだ。
よくぞ、宗教大国のインドでこんな映画を作ったものだ。
怪しげな宗教に騙されないようにと訴えている。
何かを買えば病気が治るとか、寄付をすれば願いが叶うとか、
そんなものは本当の宗教ではないだろう、、、と誰もが思っている。
だからインドで大ヒット。
素晴らしい映画だ!!」、、、と相当感激している様子。

この映画、ヒンディー語がわからないと、微細な部分が理解できないらしい。
まず、ヒンディー語で「ピーケー」は「バカ」とか「阿呆」という意味なんだそうで、
英語字幕には「Are you Peekay(PK AS IN DRUNK)?」と表示されるので、
「酔っ払い」かと思っていた。← 正しいみたいだぞ!!

親父が言うには、「英語字幕は正確じゃない。
意味が少し変わり、それを日本語に訳すとまた意味が変わる。
インド映画を訳すなら、日本に住んでいるインド人か、
インドに住んでる日本人でなければダメ」とのこと。

そんなこと言われても、タダでそんな人の手を借りられないじゃない。
意味が変わろうが何だろうが、自力でやるしかないじゃん。

日本での公開がますます楽しみになってきた。
プロの翻訳家はどんな日本語字幕を付けるのだろう。

2015年3月7日土曜日

PK -- その 4

誘惑に負けてしまった。
字幕を訳しながら、ゆっくり見ていこうと思っていながら、
あまりの面白さに、先はどうなるんだろうという思いがどんどん強くなって
英語字幕で見てしまった。最後まで。

宗教をテーマにして、どう落ちを付ける気なんだ、、、
それが気になって、気になって。

しかし、英語字幕だと半分も理解できない。
この映画、言葉が非常に重要。
PK が何を言っているのか、怪しげな宗教家が何を言っているのか、
細かいところはわからなかったが、
それでも、この映画の面白さは十分に感じることができた。

そうか、この映画の最初の部分、ベルギー・ブルージュでのジャグーの失恋シーンは、ものすごく重要だったんだ。
まあ、それは良いとして、盗まれたリモコンを取り戻すために、必死で神様を探す PK。
そして、ついに神様を発見!


むむ、、、


神様だ。ついに見つけたぞ。絶対に逃がすものか。
追いかける PK。気味悪がって逃げる神様。

神様を追いかけて辿り着いたところが、怪しげな宗教家・タパスウィーの信者の集会。
そこで、PK は自分のリモコンを見つけるが、
警備員に連れ出され、雨の路上に放り出されてしまう。

ここまでが、留置所で PK がジャグーに語って聞かせた話し。
それを聞いて、ジャグーは PK に精神科の医者に診てもらうことを勧める。
「あなた、いつから自分が宇宙人だと思うようになったの?」

しかし、ある出来事で、ジャグーは PK の話しが真実であることを知り、、、


以上で前編終了。

(後編に続く)